【イオニュースPICK UP】日本政府は虐殺の事実認め、真摯な謝罪と賠償をー関東大震災朝鮮人虐殺100年東京同胞追悼会、横網町公園に500人
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関東大震災朝鮮人虐殺100年東京同胞追悼会が9月1日、東京都墨田区の都立横網町公園内の朝鮮人犠牲者追悼碑前で行われ、約500人の総聯活動家、在日同胞、日本の市民たちが参加した。
東京同胞追悼会は、総聯東京都本部と東京朝鮮人強制連行真相調査団がともに主催し、毎年、この場所で行われている。
追悼会でははじめに、犠牲同胞に捧げる送歌「アリラン」が東京朝鮮歌舞団によって歌われた。
参加者たちが黙とうをささげたあと、主催団体代表がそれぞれ追悼の辞を述べた。
総聯東京・高徳羽委員長は、「国を奪われ、異国の地で残酷に虐殺されたすべての同胞犠牲者の方々へ、東京都のすべての同胞たちの気持ちを合わせ、深い哀悼の気持ちを表します」とのべた。そして、虐殺事件は「民族排他主義と、植民地政策に反対する朝鮮民衆たちの闘いに恐れをなして強行された人類史上最悪の犯罪として世界から批判と糾弾の声が上がっている」とし、日本政府が虐殺の事実を認め真摯に謝罪と賠償を行い、朝・日平壌宣言の精神にのっとり真の友好と親善のため努力することを求めた。高委員長は「私たちは関東大震災朝鮮人虐殺から100年を迎えた今、先代たちの思いを一時たりとも忘れず、日本政府に謝罪と補償を求める声をいっそう高めると同時に、同胞たちの尊厳を守るための闘いをより加速させていく」と話した。
調査団日本側代表の西澤清さんは、「朝鮮人虐殺は現実のもので、誰も否定できないもの。当時、目撃者・経験者は私たちの周りに何十万もいた。歴史修正主義者がその頃『虐殺は嘘だ』と言ったら、その人こそ『大ウソつき』と言われただろう」としながら、「100年を契機にして、私たちは今後の運動の中心を『事態の発生を防げなかった国、当時の軍隊・国家警察と、その誤りをただせなかった日本人の責任、特に自警団の正体と罪や、植民地支配由来という事件の本質を明らかにすること』をタブーなしにいっそう掘り下げていきます」と決意を示した。
総聯東京と調査団は、朝鮮人虐殺100年を迎える今年の同胞追悼式を執り行うにあたり、去る8月9日、東京都知事に初めて「要請文」を提出し、「追悼式への来場」あるいは「追悼文の送付」を求めた。しかし14日、都からは「東京都慰霊協会が執り行う大法要におきまして、都知事が、大震災とその極度の混乱の中で、犠牲となったすべての方々へ哀悼の意を表して」いるため、追悼文を送付しないとの返答があった。この日、各団体の代表らが読んだ追悼の辞では、100年が経った今も虐殺の事実を否定・隠ぺいし、日本当局が先頭に立って朝鮮人差別・迫害を助長していることへの批判がなされた。
追悼の辞のあと、在日本朝鮮民主女性同盟・趙英淑委員長により、朝鮮の「朝鮮人強制連行被害者遺家族協会」から送られた追悼文の紹介があった。
つづいて、追悼式の後援団体である「関東大震災100年朝鮮人虐殺事件追悼と責任追及の行動実行委員会」の藤本泰成事務局長があいさつに立ったほか、昨年7月に韓国で結成された「関東虐殺100周期追悼事業推進委員会」のハン・チュンモク共同代表が連帯挨拶を行った。また、日朝友好促進東京都議員連絡会の共同代表である、世田谷区議会の羽田圭二議員(立憲民主党)が来賓あいさつを行った。
追悼会は、参加者たちの献花をもって閉会した。
追悼会に参加した30代女性は、日本の歴史修正主義や世界のヘイトスピーチ・ヘイトクライム問題について大学院で研究している。「歴史を正しく認識できなければ、国内の世論も分断されるし、国際関係も前進できない。そしてインターネットが発達した今日においては社会の中にも簡単に差別が蔓延ってしまう。本当の望みは東京都知事や日本の首相がこのような追悼の場に毎年、足を運び、謝罪の言葉を述べること。それが叶わない状況の中、せめて自分が一人の人間として花を手向けようとの思いで追悼式に参加した」とし、「唯一安心したのは、追悼の現場にたくさんの人が訪れていたこと。いくら事実を隠しても、隠すほど正義を求める人びとの関心、輪は広がっていく」と話した。(文・写真:李鳳仁)