ストライキは労働者の権利
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最近、気になった出来事は百貨店そごう・西武の労働組合が8月31日にストライキを実施したことだ。新聞報道によると大手百貨店のストは1962年の阪神百貨店以来61年ぶりらしい。
31日、池袋の西武本店で開店の10時から終日ストが決行された。11時過ぎからは本店近くの公園に組合員たちが集まりデモも行った。
ストの原因は親会社のセブン&ホールディングスが米投資ファンドへのそごう・西武の売却を決めたことによる。労組は売却後の事業継続、雇用維持について説明を求めてきたが、不十分なまま売却の決議が強行された。
ストライキ(団体行動権)は労働三権の一つで、団結権、団体交渉権とともに日本の憲法で保障された労働者の権利だ。ストをすると「迷惑だ」と言う人がいるが、自分たちの生活を守るために当然の権利を行使しているだけである。
私が上京した約40年前の80年代前半、JRがまだ国鉄だったころ、春闘の時期などにストを行ったことがある。私鉄も同じだ。そのころはストはそれほど珍しいものではなかった。
鉄道が止まると確かに不便なのだが私は労働者を応援していたし、当時は社会全体もそれほど非難する声は多くなかったと思う。
だが今はどうだろうか。この40年ほどの日本社会の変化を見ると、鉄道会社の労働者がストをして電車が運行されなければ、「迷惑だ」と非難する人が多いのではないか。
今回の百貨店のストは、鉄道のストに比べてはるかに影響が少ない。1店舗1日だけのストだし、百貨店と都市部の鉄道では利用者数に大きな差がある。だからか今回、非難の声はあまりなかったようだ。
9月1日を前後し関東大震災100周年に関連する報道が数多く発信された。
もっとも腹が立ったのが、8月30日、松野博一官房長官の発言。松野官房長官は記者会見で朝鮮人虐殺について「政府として調査したかぎり、事実関係を掌握することのできる記録が見当たらない」と暴言を吐いた。
小池百合子都知事は2017年から朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文の送付を拒否しており、「何が明白な事実かについては、歴史家がひもとくものだ」と発言している。
歴史を隠蔽・歪曲し国家的な犯罪行為をなかったことにする日本の政治家たち。
それに抗議して日本中でストライキを起こせないものか。(k)