橋下氏が「圧勝」した大阪のW選挙に、「民意」について思う
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注目されていた大阪の知事、市長のW選挙は、橋下徹氏率いる維新の会が「圧勝」し、橋下氏は大阪市長に当選した。
11月27日の夜11時頃、帰宅してテレビをつけると、橋下氏の記者会見の映像が映し出されていた。そのときに語っていたのが、市職員に対する激しい攻撃で、その高圧的な態度、言い方に非常に不快感をもった。
翌日の新聞報道を読むと、次のように語っていたようだ。
「(今回の市長選で選挙運動を行った職員について)政治に足を踏み込みすぎた職員は潔く市役所を去ってもらいたい。戦ですから、負けは潔く認めてもらわなきゃいけない」
「『選挙で受かったくらいで何でも決められたら困るな』という市職員はたくさんいる。選挙で選ばれた者に対する配慮が欠けている」
「民意を無視する職員は大阪市役所から去ってもらう」
このような発言を見て思うのは、市の職員は市長と同じ考えをもっていなければいけないのか、他の候補者を応援したから辞めなければいけないのか、ということ。
そして、「民意」とは何かということだ。
橋下氏は選挙に勝ったけれど、今回の大阪市長選の投票率は約61%、39%は投票していない。橋下氏は約75万票を獲得したけれど、平松氏も52万票以上獲得している。
橋下氏にNOと言った人たちの「民意」も十分に多いし、それらの意見を配慮しながら議論を重ねて慎重に物事を進めていくのが「民主主義」というものではないのだろうか。
例えば、今年6月3日のこと。
橋下知事と「大阪維新の会」府議団は、公立校の教職員に君が代の起立斉唱を義務づける全国初の条例案を、大阪府議会でに成立させた。公明、自民、民主、共産の4会派は反対したが、過半数を占めるからと、議論にもほとんど時間をかけずに強引に可決させた。この条例は、府内の公立小中高校などの学校行事で「君が代」を斉唱する際、「教職員は起立により斉唱を行うものとする」というもので、橋下氏は、従わない教職員に対して「辞めさせるルールを考える」とのべ排除していく考えを明らかにしている。
「選挙という民意で選ばれた議員が多数決で決めたことだから」と、すむ問題ではない。
市の職員だから、教師だから、従わなければならない、イヤなら辞めろということなのか。一般の市民に「イヤなら大阪から出ていけ」とはさすがに言えないのだろうが…。在日朝鮮人の私には、日本に対し何か批判するとすぐに浴びせられる「そんなにイヤなら日本から出ていけ」という罵声と重ねて考えてしまう。
今の日本社会の空気で言えば、「北朝鮮への経済制裁」は「民意」なのだろうし、「自由競争で負けたのだから格差が広がっても仕方がない」も「民意」、「社会保障を削り自分のことは自己責任で」というのも「民意」、「不法滞在している外国人は厳しく取り締まれ」も「民意」、「犯罪をなくすために監視カメラをたくさん取り付けろ」も「民意」なのだろう。
小泉元首相が「自民党をぶっ潰す」と言って人気を博したが、その結果もたらされた「負」を何も検証せず無関心なまま、たぶん今も小泉元首相は人気があるのだろうが、今回、橋下氏が当選したのも、日本社会の閉塞感というか、「なんだかわからないが、何かを変えたい」「いまの体制をとりあえずぶっ潰したい」という一般の人々の思いによるものなのだろう。
2007年に赤木智弘氏が書いた「丸山眞男をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は戦争」という論文が話題を呼んだが、「この状況を変えるために戦争を」というのが本当に「民意」とならないとも限らない。(k)
Unknown
こんにちは
私自身在日韓国人3世であります。
橋下氏の当選で在日コリアンはみなどう思ったのでしょうか?
私は正直大阪で橋下氏がついたらがっかりでした。
大阪は在日コリアンの拠点と思う私は、非常に残念でした。
大阪市民はどう思っているのか?
民族学校を批判している橋下氏・・
私は、在日や韓国朝鮮人を馬鹿にしている人たちにいいたいのは「馬鹿にするなら焼肉食べるな・・」と一言いいたいですよ。
また遊びに来ます。
外国人学校の本すごくよかったです。