毎日の夕食づくり
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料理(らしきもの)をするようになったのは、結婚してからだったか。
長かった実家暮らしで、親のありがたみを十分すぎるほど知ったゆえ。
結婚後、家事シェアの観点から料理をするようになったが、あくまでメインの担当は妻だった。それは4年前に息子が生まれてからも変わらなかった。
ここひと月くらい、夕食づくりはもっぱら私の担当になっている。
17時に退勤し、息子を迎えに保育園へ。帰宅後、息子の手洗いと着替えを済ませ、一息つく間もなく着替えだけ終えるとすぐさまキッチンへ。何も見ずにちゃちゃっと作れればいいのだが、そんな水準に至っていないので、レシピを見ながら調理開始。隣の部屋から届く「アッパ、遊ぼうよ~」の声をあしらいながら悪戦苦闘して何とか完成させる。
レンコンとニンジンの炒めもの。大人には好評も、子どもには不評
いちから作っていたら時間がいくらあっても足らないので、時短できるところは時短で。下ごしらえするのが面倒な食材なら売っているカット野菜などを躊躇なく使う。
にもかかわらず、調理時間20分とレシピに書いてあるメニューに平気で1時間かかってしまう。ひどいときは2時間くらいかかって、息子の就寝時間近くになってやっと出来上がるという体たらく。「アッパ~、おなかすいた~」の声に申し訳ない思いが募る。
これから先も料理が趣味になることはないだろうが、生きていくためにはやらないといけない。お金を取ってお店で他人に出す料理ではない、自分一人が食べるための料理でもない、休日に手間ひまかけて作るこだわり料理でもない、家族のために、暮らしの中での日々の食事を手際よく、なるべく安く、栄養バランスも考えて作ることの大変さよ。そんな当たり前のことを48歳になって思い知っている。(相)