今、私たちが持つべき観点とは
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今、世界ではさまざまな出来事が起きている。前に、ブログで「メディアの真の役割とは」と出したが、いまSNS時代に入り、いろんな人がいろんな場所で情報を発信できる時代に突入した。その情報は正確な時もあれば、その人の主観が入っている場合もある。またそれらは人々を間違っている方向へ誘導する場合もあれば、いい方向へ誘導する場合もある。
またそれらはメディアが発信する場合もあれば、その個人が発信する場合もある。FacebookやTwitterなどは、アカウントを作ればいつでも投稿を出来て、情報も発信できる。その情報は世界各国の人びとが見ることだってできる。一方、サービス提供側が特定のアカウントを凍結させることもできる。米国の元大統領であるトランプ氏はTwitterのアカウントを凍結させられた。彼の支持者たちが2021年1月6日に連邦議会に侵入したことを受けて、Twitter社は同月に彼の個人アカウントを永久凍結させた。これはちょうど米国で大統領選挙が終わり、今の同国大統領であるジョー・バイデン氏が新しく就任する時だった。
このように前置きしながら、私たちはどのような観点を持って情報に接するべきなのか。今、さまざまな情報が飛び交う中で、私たちも普段からその情報に接している。自分はいつも朝鮮新報社が掲載している『ワールド・オピニオン』や『社会を知る 今週のニューストピック』などの文章を読みながら、本当に情報はどう伝わるかで物事の見方が180度変わってくるというのを実感した。また前のブログで出したイラク戦争やハマス・イスラエル間の衝突も同様である。今起きている事だけを切り抜いて見るのではなく、過去に何があり今に至っているのかを確認し、探る必要がある。
また私たちが気を付けなければならないのは情報を使ったプロパガンダである。これに巻き込まれると大変、危険であり、客観的に物事を捉えられなくなる。第二次世界大戦期にナチス・ドイツがユダヤ人を600万人殺戮したホロコーストも始まりはユダヤ人がドイツに住みつき、国内を崩壊させようとしているというとんでもないデマから始まった。これは全くの嘘だった。しかし、このデマを信じ込んだドイツ国民は歯止めが効かなくなり、ユダヤ人青年がパリにあったドイツ大使館を襲撃したことをきっかけに起きた「水晶の夜(クリスタル・ナハト)事件」※1という歴史的な事件まで発生した。またこのデマはドイツ国内の法律にまで反映された。それがニュルンベルク法※2である。当時のプロパガンダを担当した宣伝啓蒙省にヨーゼフ・ゲッペルスという人がいた。彼は「嘘も百回言えば真実となる」というとんでもない言葉を世に残した悪党である。
また、関東大震災時朝鮮人虐殺も同様である。自然災害が起きたのにもかかわらず、朝鮮人が井戸に毒をいれた、朝鮮人が家に火をつけて火災を起こしたなど、証拠のないデマが真実と捉えられ、朝鮮人虐殺へと向けられた。このようにデマは人びとから客観性を奪うものである。
これからも正確な情報に人びとが接することができるように記者として頑張っていきたい。(国)
※1:1938年11月9日から11日にかけてドイツ全土で発生したユダヤ人居住区ゲットー襲撃事件。居住区だけでなく、ユダヤ人が経営していた商店も襲撃された。襲撃時に破壊され散乱したガラスが月明かりにてらされ、水晶のように光っていたことからこの名前がついた。
※2:1935年に制定されたユダヤ人の公民権を奪う人種差別法。ドイツ人の血統を守るためと称してユダヤ人との通婚の禁止、公職追放などを定めた。