【特集】必勝!チョソン(朝鮮)
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ウリナラのサッカー選手がやってきた!
2017年12月の東アジアサッカー連盟E-1選手権以来、約6年ぶりに朝鮮民主主義人民共和国の男女サッカー代表チームが来日、2月と3月にそれぞれ日本代表と東京の国立競技場で試合を行った。2月28日に行われた女子の2024年パリ五輪アジア最終予選は1-2、3月21日の男子ワールドカップ2026年大会アジア2次予選は0-1と2戦2敗に終わったが、新型コロナウイルス・パンデミックの影響で長らく国際舞台から遠ざかっていた祖国のサッカー代表チームの勇姿に在日同胞たちは沸いた。
「必勝! 朝鮮」
国立競技場の一角をチームカラーの赤で染めた3000人を超す在日同胞応援団の声援が朝鮮代表を力強く後押し。スタジアム以外でも物心両面でチームをサポートした。
反攻も及ばず競り負け
2026年W杯アジア2次予選 朝鮮0-1日本
昨年9月の杭州アジア大会の雪辱ならず―。2026年FIFA(国際サッカー連盟)ワールドカップ北中米大会アジア2次予選の朝鮮民主主義人民共和国対日本戦が3月21日、東京の国立競技場で行われ、朝鮮は日本に0-1で惜敗した。
アジア2次予選は出場36ヵ国を9組に分けてホーム&アウェー戦を行い、各組上位2ヵ国が3次予選に進出する。FIFAランキング114位の朝鮮は同18位の日本、89位のシリア、162位のミャンマーと同組。朝鮮は1勝1敗の勝ち点3で、2戦全勝の日本に次いでグループ2位につけていた。
ゲームはキックオフ直後に動いた。前半2分、日本は左サイドからのクロスをMF堂安律選手が中央へ折り返すと、MF南野拓実選手がシュート。朝鮮選手に当たったこぼれ球を堂安選手が折り返し、最後は走り込んできたMF田中碧選手が右足で合わせてゴールネットを揺らした。緊張からか動きの固い朝鮮は試合開始早々、1点のビハインドを背負うことになった。
後方から細かくパスをつないで攻撃を組み立てる日本に対して、朝鮮は相手ボールを奪ってからは手数をかけず、縦に速い攻撃を組み立てる。日本に攻め込まれながらも、ゴールキーパーのカン・ジュヒョク選手を中心としたディフェンスで追加点を許さない。
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「12人目の選手」として
同胞応援団が感じた祖国の姿
日本での試合は男女とも2017年12月以来となったサッカー朝鮮代表チーム。2月と3月に国立競技場で行われた試合にはいずれも関東地方を中心に日本各地から3000人を超える同胞たちが駆けつけ、朝鮮チームを熱烈に応援した。
男子の試合が行われた3月21日、ゴール裏アウェー席は赤い服をまとった在日同胞応援団で埋め尽くされた。国歌斉唱時には1階席で大きな朝鮮国旗がゆらめいた。
東京都足立区在住の同胞たちは、2月28日の女子の試合に引き続き、30人規模の団体でスタジアムを訪れた。女子の試合はテレビで観戦したという高景淑さん(44)は、画面越しに聞こえてきた同胞応援団の声援にいてもたってもいられず、男子の試合は生で観戦した。「愛国歌が流れる中、応援席ではためく祖国の国旗を見ると胸にこみ上げてくるものがあった」と語る高さん。「日本の地で見た祖国の選手が、子どもたちにとって初めて触れる祖国だった」と目を細めた。
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若手同胞選手の夢
途中出場で代表デビュー
文仁柱選手(24)
2026年W杯アジア2次予選の日本戦(3月21日)で、在日同胞として唯一、朝鮮代表に選出された文仁柱選手。所属チームであるFC岐阜(J3)のサポーターと関係者そして日本各地の同胞たちの期待を胸に、後半38分、ピッチに立った。
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初めて見た朝鮮選手、「私たちも代表に」
金香姫さん(左)、金香那さん(右、どちらも18)
●FC町田ゼルビアレディース
今年3月、愛知朝鮮中高級学校を卒業した金香那(右)、金香姫さん。今シーズンからFC町田ゼルビアレディース(関東女子サッカーリーグ2部所属)に加入した双子のプレーヤーだ。2月28日、2024パリ五輪女子サッカー・アジア最終予選第2戦で日本と対戦した朝鮮代表を一目見ようと、愛知から国立競技場に駆けつけた。
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同胞たち、 ありがとう
次こそ勝利をプレゼント/選手・監督たちの声
女子代表
リ・ユイル監督/スン・ヒャンシム選手(主将、7番)/パク・チュミ選手(1番)/リ・ハク選手(10番)
男子代表
シン・ヨンナム監督/チャン・グクチョル選手(主将、3番)/ハン・グァンソン選手(10番)
復活へ、確かな一歩 関係者に聞く
この間、朝鮮代表チームに帯同した在日本朝鮮人蹴球協会の申載南事務局長と、長らく代表で活躍した安英学さんに朝鮮代表のたたかいぶりや今後の展望などについて話を聞いた。
秘めたポテンシャル開花を
申載南さん ●在日本朝鮮人蹴球協会事務局長
2010年W杯代表を超えて
安英学さん ●元朝鮮代表
7大会ぶり2度目の優勝
AFC U20女子アジアカップ W杯出場権も獲得
AFC(アジアサッカー連盟)U20女子アジアカップが3月3~16日までウズベキスタンで開催され、朝鮮民主主義人民共和国が優勝した。
朝鮮は決勝で日本を2-1で下して2007年大会以来2度目となる優勝を果たした。合わせて、準決勝に進出したほかの3チームとともに、8月31日からコロンビアで行われるU20ワールドカップへの出場権を獲得した。
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