好吃! 食い倒れ台湾旅⑥ 〜歴史に触れる・台南(下)~
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台南2日目、特急列車に乗り、日帰りで台湾第二の都市「高雄」へ向かった。
さらにここから地下鉄に乗り換え、「美麗島駅」へと足を運んだ。
美麗島駅という名称は、1979年12月10日の世界人権デーに行われた、雑誌「美麗島」が主催したデモ活動が警察隊と衝突し、主催者らが投獄されるなどの言論弾圧に遭った「美麗島事件」から名付けられている。
駅構内には世界最大級のステンドグラスアート「光之穹頂(The Dome of Light)」がある。当駅はアメリカのトラベルサイトで2012年「世界で最も美しい駅」第2位に選ばれた。作品のテーマは「人間の歴史」だ。生命を育む「水」、繁栄と成長を象徴する「土」、精神の創造を象徴する「光」、破壊と再生を象徴する「火」の4つに分けられている。幻想的な作品は思わず目を奪われてしまうほど。一見の価値がある。
次に、「旗津」という細長く伸びている島のような区へフェリーで向かった。ここでは写真で簡単に振り返る。
夕方、高雄の「六合観光夜市」へ。
広い車道に沿っていくつもの露店が並ぶ、高雄では最も古い夜市だそうだ。
日本でも上陸している大きな唐揚げ「大鶏排(ダージーパイ)」。
台北の夜市でもあったが「まだいい」と先送りにしていた。旅も残り僅かだったため、ついに食する時が来た。スパイシーな味付けが病みつきになる。ぜひ一度食べてみて欲しい。
翌朝、ホテルをチェックアウトし、同行者が行ってみたかったという「国立台湾歴史博物館」へ。バスに乗って約1時間、広大な敷地の周りには建設中のマンションがポツポツとあり、遠くを見渡すと目的地が見えた。
2011年に開館した同館は「全ての台湾人のための博物館」を目標とし、過去・現在・未来を見つめながら、台湾の歴史に関する知識を人々に伝える役割を果たすための施設だ。2021年にはリニューアルオープンし、より充実した展示内容となったそうだ。
博物館は、先史及び原住民時代からオランダ統治時代、日本統治時代、中華民国統治時代、現代までを網羅している。等身大の人形群、巨大な舟、日本統治時代の史料や映像、近代化後の史料など、壮大なスケールで見ごたえがあった。
館内では、各エリアをお互いのペースで別々に見て回った。
日本統治時代エリアでは、胸の奥がざわつくような不快感を覚えながらも足を進めた。
「親日国」で知られる台湾。博物館では旧日本軍の史料のほか、日本語教育を受ける台湾の子どもたちの映像や当時の教材、日本語で書かれた第二次世界大戦時のポスター、戦地に赴いた台湾人の遺品、終戦を迎えた人びとのさまざまな声など、日本統治時代の「悪い面」を赤裸々に展示していた一方、日本の統治によって近代化した台湾の「良い面」も同時に展示していた。
個人的な感想としては、事実は事実として伝えつつも、「全方位に“配慮”した」展示内容だったように思う。
台湾の歴史に触れた台南の旅を終え、新幹線に乗って、舞台は再び台北へ。
食い倒れ台湾旅⑦へ続く…。(麗)