やさしく包み込む同胞社会、“一緒に”/ムジゲ会全国交流会2024
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心にムジゲ(虹)を
来年の発足30周年を前に10年ぶりに開催された全国交流会。初日の9月21日、期待に胸を膨らませた参加者たちが続々と集まってきた。「久しぶりだね」「いくつになったの?」―再会の喜びに感極まり握手を交わし抱き合う姿も。交流会に初めて参加した家族も少なくなかった。関東圏、岩手、愛知、京都、兵庫、大阪、広島、岡山、山口から32家族(70人)が足を運んだ。家族らは事前講習会を終えたボランティアたちと対面した。
ムジゲ会30年の足跡をたどるオープニング映像に続き、主催者を代表し会長の申桃順さん(61、東京)があいさつした。申会長は、「語らいの場」として交流会を楽しむことを参加者に呼びかけた。交流会は当事者とその家族間の親睦、次世代への継承、同胞社会への問いかけの場にしようと各地ムジゲ会会員からなる実行委員会が総聯中央権利福祉局の協力の下、1年前から準備を進めてきた。交流会には、総聯中央の南昇祐副議長、任京河・権利福祉局長も参加した。
申会長の次男は生後3日でダウン症と宣告された。「一人で悩むよりつながりたい」とかけた一本の電話から、「お茶会」としてはじまったムジゲ会。崔玉貴さん(62、山口)は、本誌1996年9月号(創刊3号目)でその存在を知り、衝撃と感動からすぐに会に連絡したという。玉貴さんの次女は当時1万人に1人と言われた障がい(コルネリア・デ・ランゲ症候群)が生まれながらにあった。参加者には、同胞社会の中でさえ障がいを理由に差別的な発言を浴びた経験がある人もいる。それでも、「子どもを守るため、理解を広げようと子どもを連れて歩いた」(玉貴さん)。ムジゲ会として「同胞社会にも障がいのある子がたくさんいるんだ」「それぞれ違っていてもいいんだ」と繰り返し訴えてきた。ムジゲ会は日本各地で開催された全国交流会(過去8回)、東京、愛知、兵庫、広島、山口など各地域に結成されたムジゲ会の活動を重ねながらその輪を広げ、多くの当事者やその家族にとっての拠り所、架け橋となってきた。
交流会初日が終わり翌22日、参加者らはリレートーク「同胞社会の中で子どもを育てたい~同胞家族の経験談~進学、就労、親なき後のことを共に考える」に臨んだ。
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以上が本文からの抜粋です。全文は本誌11月号にてご覧ください。
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