【イオニュース PICK UP】ドキュメンタリー映画『声よ集まれ』、各地で特別試写会/声を募集中
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ウリハッキョと共に歩む人びとの映画
朝鮮学校を支援しともに歩む人びとをテーマにしたドキュメンタリー映画『声よ集まれ(소리여 모여라)』の特別試写会が各地で行われている。11月26日現在、東京、大阪、愛知、広島での試写会を終え、滋賀、神奈川などで上映される。
本作は、朝鮮学校と関連したドキュメンタリー映画『蒼色のシンフォニー』(2016年)、『ニジノキセキ』(2019年)で知られる朴英二さんが監督を務める。
朝鮮学校に対する高校無償化の適用と、子どもたちの学ぶ権利の保障を求め文部科学省(東京都千代田区)前で行われてきた「金曜行動」、大阪府庁前の「火曜日行動」に参加する人びと、北海道から福岡まで日本各地で朝鮮学校を支え、子どもたちを見守り、在日朝鮮人とともに歩む日本の人びとがスクリーンに映し出される。また、作品には在日朝鮮人が歩んできた歴史、朝鮮学校教員と生徒たちの思いも込められている。本作は、ウリハッキョ(朝鮮学校)に集うすべての人びとに希望と勇気を与えるとともに、日本社会でウリハッキョの存在をさらに広く伝える機会になるだろう。
東京の試写会(11/16)に足を運んだ迫あすみさん(39)は、X(旧twitter)を通じて映画制作を知り、この間行われてきた制作応援のクラウドファンディングにも参加した。迫さんは、「映画に登場する支援者の発言から、高校無償化裁判における不当判決はそれ自体が問題だが、差別を看過してしまった私たち(日本人)の問題だと気づかされた。声をあげないことで差別的な現状に加担していることになる。どんな形であれ反対の声を上げなければいけない」と話した。
大阪の試写会(11/19)に参加した「北大阪ハッキョを支える会」のメンバーで「火曜行動」にも毎週参加しているという40代の女性は、各地の朝鮮学校を支える人びととその支え方について知ることができたという。「朝鮮学校とともに歩む各地の人びとと映画を通してつながり、共感し、同じ目標に向けて進んでいるというパワーをもらった」と感想を語ってくれた。
応援する声、集まれ
映画制作のきっかけは、韓国の市民団体「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」(以下、「市民の会」)が編纂した書籍『コッソンイ第4集―私たちは屈しません』(2023年)に収録された日本人支援者らのインタビューだ。「コッソンイ」は、日本各地の朝鮮学校に通う初級部、中級部、高級部生を対象とした朝鮮語の作文と詩のコンクールで、1978年に始まり、今年で47回目。前掲書に収録した朝鮮学校とともに歩む日本の人びとの声を「ドキュメンタリー映画としても残したい」という「市民の会」のソン・ミフィ共同代表の思いが結実した。朴監督は、日本国内に加えて、海を越え、韓国、米国、ドイツでも150時間以上の撮影と100人近い人びとのインタビューを敢行した。
制作委員会では、試写会を経て年内に映画を完成させ、映画祭出品、劇場公開、来年3月から上映会を開催できるよう準備中だという。また、映画のエンドロールでは、作品のタイトルにもなった主題歌「소리여 모여라 노래여 오너라(声よ集まれ、歌となれ)」(作詞・作曲:李英哲)の大合唱映像が流れる。朴監督は「朝鮮学校の子どもたちが『こんなにもたくさんの人が私たちを応援している』と感じられるようにしたい。人数を問わず、歌ったり、応援している映像を送っていただければエンドロールに収録するのでご協力お願いします」と呼びかけた。(文・写真:康哲誠)
◇映像は下記のメールアドレスまで
cycalive@naver.com
※「ソリヨモヨラ」の音源、楽譜などのダウンロードはこちらから。
◇滋賀と神奈川の試写会情報は以下の通り。
―滋賀
※「ウリハッキョ映画祭 in滋賀―出会い繋がるウリハッキョの輪―」(11月29日~30日)にて上映
日時:11月30日(土) 上映15:40
場所:びわ湖ホール 小ホール(JR膳所駅徒歩約15分)
チケット:1000円 ※17:00~朴監督も登壇してトークイベント「出会い繋がるウリハッキョの輪」が行われる(トークイベントは入場無料)
※申込みや詳細はQRコードから
主催:ウリハッキョ映画祭in滋賀実行委員会
問合せ:urihakkyoeigasai@gmail.com
―神奈川
日時:12月10日(火)受付18:00、上映19:00
場所:かなっくホール(JR東神奈川駅徒歩1分)
参加費:一般1500円(招待者無料) ※すべて自由席
チケット予約:urimovie.info@gmail.com宛に①お名前、②枚数、③お電話番号を記載のうえ、メールをお送りください
主催:「ソリヨモヨラ」神奈川特別試写会 事務局