【特別企画】東京無償化裁判 国の差別、司法が追認
2014年2月、62人の東京朝鮮中高級学校生が無償化法の適用を求め、一人あたり10万円の国家賠償を求めた東京無償化裁判の判決が9月13日、東京地裁で言い渡され、原告の請求が棄却された。
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西神戸朝鮮初級学校の児童・園児たちはパワフルで笑顔が絶えず、時に真剣に目の前のことに取り組んでいる。そんな子どもたちの学校を守りたいという「4.24の精神」が色濃く残るこの地では、教員や地域同胞の思いも熱い。校舎の改修工事を行った今年、地域全体が今一度学校への関心を寄せている。
在日朝鮮人の権利運動の場で「民族教育権」が強調されて久しい。そもそも民族教育権とは何か、どのような法的根拠を持つのか、なぜ権利として認められなければいけないのか―。これらの疑問に明快な答えを出せる人はそう多くない。国際人権規約から見た民族教育、日本の司法と民族教育権、民族教育の現場で調査、研究活動を続ける学者たち―各地の高校無償化裁判で一審判決の言い渡しが続く中、あらためて民族教育の権利について多角的に考えてみる。
「コマチュック(꼬마축구)」(ちびっこサッカーの意)の愛称で親しまれ、数々のドラマが繰り広げられてきた在日朝鮮初級学校中央サッカー大会が今年で39回目を迎える。第1回大会にスポットを当て、優勝校の西播朝鮮初中級学校(兵庫県姫路市)の足跡もたどりつつ、その歴史をひもといてみる。
愛媛県松山市にある四国朝鮮初中級学校は現在、児童・生徒数16人。複式学級を取り入れ、5つのクラスで児童・生徒が学ぶ。パワフルな若手教員たちと児童・生徒たちの信頼も厚く、「家族」と変わらない絆がある。人数は少ないが、他では見られない強みが次々と見えてくる。
大阪朝鮮高級学校を高校無償化法の適用対象としないのは違法だとして、学校法人大阪朝鮮学園が国を相手に不指定処分の取り消しと適用の義務づけを求めた訴訟(以下、大阪無償化裁判)で、大阪地方裁判所は7月28日、適用対象から朝鮮高級学校を外した国の対応は違法、無効だと認定し、不指定処分を取り消して無償化の対象とするよう命じた。2010年4月の制度施行から7年、13年1月の提訴から4年半。ついに、朝鮮学校側の訴えを全面的に認める歴史的な判決が勝ち取られた。一方、大阪に先立つ19日、広島地裁では原告側の全面敗訴という不当判決が下された。
「ウリ民族フォーラム2017in愛知」が7月16日、名古屋市の愛知県芸術劇場で行われた。昨年の大阪フォーラムからバトンを引き継いだ愛知では、在日本朝鮮愛知県青年商工会(愛知県青商会)が中心となった実行委員会が「次世代の希望と同胞社会の未来のため愛知が一つになり、ひまわり満開の民族教育を!」をテーマとして掲げた。
日本の植民地時代の1938年、幻の東京オリンピック開催のため、唐突に朝鮮人が強制移住させられた土地が、東京朝鮮第2初級学校が位置する東京・枝川だ。解放の翌年にこの地に建った同校は07年に枝川裁判で勝利的和解を遂げた喜びに続き、11年には新しい校舎を建て、未来への大きな扉を開けた。
朝鮮高校ラグビー部の活躍は全国の在日同胞たちの心に感動と希望を与えている。そんな在日ラグビーの歴史が始まったのは1958年、創立して間もない九州朝鮮中高級学校のグラウンドだった。後に「在日コリアンラグビーの父」と呼ばれた故・全源治さんと生徒たちが切り開いた、ラグビー部の草創期を振り返る。
2012年、京都朝鮮第1初級学校と第3初級学校が合わさって誕生した京都朝鮮初級学校。翌年には醍醐の新校舎に移った。2009年12月、第1初級を襲った「在特会」メンバーらによるヘイトスピーチ、そして民族教育の公益性を示した裁判闘争の勝利―。激動の日々の中で生まれた学校には地域同胞と支援者らのたくさんの思いがつまっている。
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