カクン!
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「カクン(까꿍)!」
1歳の娘は「カクンノリ」という絵本が好きだ。カクンとは、「いないいないばあ」という意味だという。ニワトリやサル、かわいいひよこに小さな坊や…。両手で目隠しした動物たちがページをめくると、目をぱっちり開けて「カクン!」と顔を見せてくれる。二つの足でやっと立てるようになった数日後だったろうか…(記憶はあいまい)。一人で絵本をめくる姿を見た時はまず驚き、次に不思議だった。
生まれた時から日本語圏に暮らし、本来の母語である朝鮮語を家庭で教えきれない私にとって、母が贈ってくれたこの本には色んなものが詰まっている気がする。
彼女の人生は始まったばかり。これからたくさんの人とつながっていく言葉が生まれようとしている今、そのかたわらに自分につながる言葉があればいい。(瑛)