町の変化
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今の場所に住むようになってちょうど12年が経つ。これといって不満はないのだが、朝鮮学校が遠いので息子の通学に時間がかかる。その点で少し後悔している。髪の毛を切りすぎた、程度の後悔なら別に何の問題もないが、住む場所は簡単に変えることができないので、後悔しないように慎重に選ぶのにこしたことはない。
面白いのは、この12年の間に、駅前をはじめ町の様相が大きく変化したことだ。再開発の真っ只中で、今後も変わっていく。家の近くに大きな道路を二つも新しく作っている。何年後になるかまったく目どが立っていないが、開通するとまったく違った雰囲気の町になるはずで、ちょっと楽しみである。
これまであちこち住む場所が変わったので、いま住んでいるところに特に愛着があるわけではない。しかし、ここで生まれ育った息子は、この町や家に特別な思いを抱くのだろう。そしていつも考えるのは、1世はどのような思いで、日本の地に住み続けているのだろうかということだ。
町が変化するように、われわれを取り巻く状況も変化していく。息子が大人になる頃には朝鮮半島はどうなっているだろうか? 他国のロケットに「テポドン」というありもしない名前を勝手につけ、あくまでも「ミサイル」だと言いはる、そんな日本社会であり続けるのだろうか?
息子もいずれはこの町を出て行くはずだ。いつか朝鮮半島のどこかに住むようになるかもしれない。
私もここにずっと住むつもりはない。(k)