外国人登録証
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一昔前は外国人登録証を常時携帯しているかをチェックすべく、民族学校の校門に警察がはっていた時代もあった。その時に比べれば、外登法の運用は変わったのかも知れない。しかし、外登法が法律として存在する限り、外国人への脅しとして、いつでも機能させることができる。外登法が「伝家の宝刀」と言われる所以だ。
開会中の国会では、外登に関わる重大な法案が可決されようとしている。
外国人登録証の代わりにIC在留カードを持たせ、
植民地支配によって日本に暮らすことになった私たち特別永住者に関しては、「特別永住者証明書」を持たせる方向で法律が改定されるという。(施行は2012年から)
問題は何が変わるのかだが、常時携帯、刑事罰はそのまま残る。
つまりは変わらない。
さらに管理が強まっていく感があるのは、またもや「朝鮮」はずしが盛り込まれるからだ。
再入国許可については現在、2年以内の海外渡航なら許可申請を必要としないとする「みなし再入国許可」という制度が設けられているが、今回の改定ではこの適用を受けるためには「有効な旅券」を持つこととされ、朝鮮民主主義人民共和国の旅券をもつ者は、はじき出される。忙しい合間を縫って入管に何度も足を運ぶ羽目になるのだ。
2003年の大学受験資格の門戸開放の際、数ある外国人学校の中でも、朝鮮学校だけがその学校の卒業資格ではなく、大学側の個別判断とされたが、日本の官僚や政治家の頭の中は相変わらずのようだ。
朝鮮以外にも嫌いな国が出てきたら同じことをするのだろうか。
網をかけ続ける国家権力の意図を私たちはどこまでわかっているのだろうか。
管理されることに慣れてはしないだろうか。
指紋押捺を拒否して再入国許可の不許可処分を受けたピアニスト・崔善愛さんの一件や、19年前に職員が住所変更を届けなかったことを口実に、東京朝鮮中高級学校に500人の警官が押し寄せたあの日を想像してみようと思う。
今週13日も14時から衆議院第2議員会館でNGO主催の集会が開かれる。
立法府の良心を問いに、足を運んでみようと思う。(瑛)