自殺
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5月23日の土曜日午前、突然、盧武鉉前大統領が自殺したという衝撃的なニュースが飛び込んできた。そして29日に国民葬が執り行われた。盧前大統領の自殺について、李明博政権による報復捜査が死に追いやったと、現政権を糾弾する声が広がっている。今後、政局がどう動くのかわからないが、盧前大統領の死は残念でならない。
盧武鉉前大統領の願いは「사람 사는 세상(人が人らしく普通に生きていける世の中)」を作ることだった。後に残った人たちがそれを実現させることが、盧前大統領を弔うこととなり、その死を無駄にしないことになるのだと思う。また、金正日総書記と盧前大統領が2007年10月4日に交わした「北南関係の発展と平和・繁栄のための宣言」をかならず実現させなければならない。
日本の警察庁が5月に発表したところによると、日本の昨年の自殺者が3万2000人を超えたという。11年連続で3万人を超える自殺者が出たことになる。今年も4月までに1万1000人を超えている(男性約8000人、女性約3000人)。交通事故で死ぬ人の5倍になるそうだ。
3万人という数の一人ひとりには、他人には計り知れない苦しみがあったのだろう。そして、自らの命を絶つという選択をしなければならないほど、本人を追い込んだ原因があるはずだ。「死を選ぶのは弱い人間だ」という言い方をするのを聞くが、3万人以上の自殺者が毎年出るというのは、明らかに今の日本社会が弱者を切り捨てる社会になっているからである。 人が人らしく普通に生きていける世の中ではない。
それでも思うのは、自ら命を絶たないでほしかったということだ。(k)