思いがけない質問
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先日、子どもが通う保育園で保護者会なるものがあり、参加してきた。
親元を離れて一日を過ごす園での子どもたちの日常を、ビデオや写真で説明を受け、自宅での様子や悩みをお母さんやお父さん同士が話し合う。この日は隣に座った親同士で互いをほめ合う、という企画を担任の先生方が提案し、皆が照れながらメモを読み上げた。「子どもたちをもっとほめてほしい」という願いが込められた試みだったと思う。
2年後の春には学校だ。
ということで、最近は集まると「○○クンはどこの小学校?」との会話が行き交うことも増えた。保育園のママ友とも2年越しの付き合いなので、気心も知れてきた。同じ学校に進学することがわかると、笑みがこぼれたりもする。聞かれた私は「近くのチョウセンガッコウに行くんだぁ」と告げると、「中学の頃、朝鮮学校出身の子がいたよ」と話題が広がっていった。
私は、言うまでもなくレアケースである。
いつも笑顔で「いってらっしゃ~い」と送り出してくれるSママは「日本暮らしが長いのに、なんで?」「その考えは揺るぎないの?」と聞いてきた。続いて、Iちゃんママは「その学校はIちゃんも入れるの?」
・・・
不意をつかれた質問に、私は明らかに困惑していた。
「最近は日本の人と結婚する人が多いから、国際結婚カップルのお子さんは増えているんだよ」と答えたけれど、ママさんたちの疑問は晴れない様子。けれど、日本の人がなぜ入れないのか。どこから説明していいのやら、立ち話の短い時間で説明できる話ではないように思え、またの機会に持ち越すことにした。
日本人、朝鮮人…。世界には、ナニジンとくくれない人も多い。コリアンの場合も、父母のどちらかがコリアン、祖父や祖母がコリアン…。ルーツの形は実に多様だ。その受け止め方も…。
最近、日本人の入学希望者が後を絶たない中華学校の場合、在校生のきょうだい、幼稚部出身者、卒業生の子どもを優先させて受け入れていると聞く。
日本と朝鮮との間で人々が自由に、普通に行き来する日―――。
朝鮮学校は、今よりもっと国境、国籍、民族を乗り越えた学びの場になるだろう。
そんな時代を夢見ながら困惑した自分を反省したのでした。(瑛)