オタクとマニア
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先日、車体全体に漫画「銀河鉄道999」の絵が描かれた電車に乗った(写真)。アニメオタクと鉄道マニアの両方にとって、たまらない電車なのであろう。そもそも「銀河鉄道999」は鉄道マニアを読者として意識して描かれたものだと思うし、同じ作者の「宇宙戦艦ヤマト」は軍事オタクを意識しているのであろう。
「アニメオタク」「鉄道マニア」「軍事オタク」という言葉を意識的に書いたが、「オタク」と「マニア」はどのように違うのであろうか? 「アニメマニア」よりも「アニメオタク」のほうが言葉としてしっくりくるし、「鉄道オタク」もどんどん勢力を拡大しているがまだ「鉄道マニア」のほうが一般的な気がする。「軍事マニア」と「軍事オタク」はいい勝負か。「クラシックマニア」とは言っても「クラシックオタク」とはあまり言わないし、「アイドルオタク」とは言っても「アイドルマニア」とは言わない。「オタク」とより吸引力のある分野、「マニア」とより吸引力のある分野があるようだ。
「オタク」という言葉は1980年代になって作られたもので、以前はみんな「マニア」と言っていた。1980年代以降に文化として定着したもの(例えばコンピュータゲームなど)は、「オタク」という言葉とより結びつくのであろう。「ビートルズ」につくのは「マニア」だし、「モーニング娘。」につくのは「オタク」だ。
「オタク」と「マニア」にそれほど意味の違いはないようだが、「オタク」という言葉は、「いい年をして○○なんかに夢中になっている」という、その人をちょっと見下したニュアンスで使われているように感じている。人を分類し、自分のテリトリー以外の人間には無関心だったり必要以上に攻撃的になっていく日本社会を象徴するように生まれた言葉だと言えば、言い過ぎだろうか。
年齢が若くなるほど「マニア」よりも「オタク」をよく使うようで、「オタク」がどんどん勢力を伸ばし、将来「クラシックオタク」「ビートルズオタク」と言うのが当たり前になるかもしれない。
オタクであれマニアであれ、夢中になれるものがあるというのはすばらしいことだと思う。のめり込む趣味を持たないので、そういう人が羨ましい。(k)