「平壌発」(祖国訪問記6)
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平壌には朝鮮新報社の平壌支局がある。場所は平壌ホテルの5階。こうして毎日、ブログを平壌から送ることができるのも支局があるおかげだ。朝鮮新報社の平壌支局は20年以上の歴史をもっており、朝鮮に実際に活動している支局を持っているのは世界で朝鮮新報社だけである。
平壌支局には基本的にいつも記者が常駐し、朝鮮で取材活動を行っている。朝鮮新報の主に1面や3面、6面に、「平壌発 ○○○」と書かれている記事は、駐在記者が平壌から送ったものである。取材活動をするわけだから、普通の在日同胞が何十回朝鮮を訪問しても行くことができない場所にも行くし、会うことのできない人物にも会う。それだけ祖国の現実を深く見ている。役得といえば役得だ。
現在、支局には3人の記者が常駐している。 毎朝、早くから支局に出勤しパソコンの前で記事を書いている。筆者はその姿を横でコーヒーを飲みながらながめている。そのコーヒーも記者たちが入れてくれたものだ。午前、午後と取材し、また夜遅くまで記事を書く。一人で部屋にいても淋しいので、その姿をソファーに座りながら、またながめる。
時には泊りがけで地方都市にも出かける。筆者も11年前、2ヶ月ほど平壌支局で記者生活を送ったことがる。その頃はまだ「苦難の行軍」を続けており、本当に苦しい時期だった。取材はほとんど平壌市内に限られ、内容も行事の取材が多かった。しかし、今は地方都市にもよく出かけているし、工場や農村など生産の現場の取材が多い。それだけを見ても国全体が活発に動いていることがよくわかった。 取材のときに活躍するのが写真の自動車。「総聯 朝鮮新報」と書かれた自動車が颯爽と朝鮮の各地を駆けている。
社会主義国の朝鮮の現実を、日本で生まれ育った記者が朝鮮の出版物とはまた違った切り口で伝える。そこに朝鮮新報の「平壌発」記事の価値があるのだと思う。ちなみに記者たちは平壌ホテルにそれぞれ部屋があるので出勤時間はほとんどかからない。それは日本にいるときと比べ物にならないほど楽だ。筆者の場合同じ5階に部屋があり、50メートルしか離れていないので30秒ほどで出勤できる。ボルトなら5秒だ。(k)