たまり場
広告
毎日横切る公園は、都心の公園にしては比較的広く、森のように木が生い茂り小川も流れる。営業に疲れたサラリーマンが休息をとっているのをよくみかける。地元の子どもやペットたちにも人気のスポットで、夕時になると地元中学生のたまり場だ。
その中学生たちは、自分たちが食べた菓子や空き缶をバットにあてて遊んだりタバコの吸い殻を散らかし放題にするので、「そうじもしないで!」「こういう場所で堂々と吸われると腹が立つ」と私にグチを吐き捨てながら、交番に直行する住民もいる。私も当初は他に楽しみがないんだろうかとあまり感心していなかったのだが、中には子どもに気づかってくれる子もいたりして、あまり色眼鏡で見るのはよくないと思えてきた。
話は飛んで、毎週金曜の夜はお子さんお待ちかねの「ドラえもん」がテレビ放映される日。小学校時代に毎月母が2冊ずつ買い与えてくれた思い出があるだけに、いじめっこのジャイアンがいざという時には体を張ってのび太を助ける場面には、「友だちはいいなぁ」と静かに感動している。かたや背景に広がる大きな一軒家や広い空き地は昔なつかし。今の都会のようにイタズラにこうじる空き地が減り続ければ、子どもたちがなんとなく集まって友達とだべったり、遊ぶ場所はなくなってしまう。彼らの旺盛な好奇心といたずらを満たすには都会の住空間は狭すぎる。
中学生のタバコには感心しないけど、公園から彼らがいなくなるのはもっと悲しいことに思えてきた。(瑛)