朝鮮グルメ(祖国訪問記26)
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祖国での生活も残り少なくなり、祖国のグルメを楽しもうとラストスパートをかけている。これまでに祖国で食べた美味しいもの、印象に残ったものを挙げてみたい。
冷麺はたぶん18杯くらい食べた。本場の玉流館では普通の冷麺とチェンバンをダブルで注文するということもした。これまでチェンバンが美味しいと感じていたが、今回は普通の冷麺の方が美味しく感じた。しかし、玉流館が他の店よりも特別に美味しいかと言うと、そうでもなく、全般的に祖国で食べた冷麺は美味だった。食事の際にキャベツの水キムチが出るのだが、その汁を冷麺に入れて食べると味が格段によくなった。
7月24日のチュンボク(中伏)の日には、犬料理のフルコースを食べた。犬料理も祖国での食事には欠かせない。日本で言う「土用の丑の日」のような夏の暑さを代表する三伏(初伏、中伏、末伏)の日に犬料理を食べるのが慣わしだ。三池淵の宿所では毎食ジャガイモのスープが出たが、出発する前の朝食は、犬のスープが出た。朝から犬のスープというのもどうかと思ったが、格別な味で1滴も残さずたいらげた。
七宝山、白頭山への長期出張の際、行きと帰りに元山の松涛園食堂で昼食をとった。在日同胞に人気のある食堂だ。出してくれたのが、アヒル、貝、イカの焼肉、そして松茸の焼肉を山盛り。20年分くらいの松茸を一気に食べてしまった。運転手のオさんが注文したタイのスープ(写真)はタイが半分以上入った豪華なもので、今度訪ねたときはぜひ食べてみたい。
清津のホテルの支配人は帰国した同胞で、われわれをひじょうに歓待してくれた。巨大な甘エビ(直径が日本のものの2倍以上あった)をお腹いっぱい食べた。イカの刺身、寿司、トンカツや酢豚も出たが、日本のものとまったく遜色がなかった。海七宝で食べた獲れたてのウニも忘れられない。
平壌ホテルの1階、玄関から入って左奥のレストランはよく利用した。このレストランがなかなかあなどれないパフォーマンスの高さを見せてくれた。冷麺も美味いし、豆腐ステーキや豚足などもある。特にコムタンスープは肉がごろごろとたくさん入っており絶品だった。こうやって書いているうちにも唾が出てきたので、今日の夜に食べに行きたいと思う。
スッポン料理も食べた。日本でも食べたこともなく、生まれて初めてのスッポンが祖国のスッポンである。食べてみると、こんなに美味いものを何十年も知らずに生きてきたのかと、涙が出そうになった。日本に帰ったら食べてみて、味を比べてみたい。
各地のホテルの食事は、どちらかというと肉料理が少なく、野菜や山菜が多い。素材が新鮮で汚染されていないうえ、化学調味料を使わないのでひじょうに健康的だ。日本ではよく腹痛に悩まされたが、祖国訪問中、快食快便の日々を送ることができた。(k)