家での出来事
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家での作業、思っていることをノートに書き殴る。
あーでもないこーでもないと一人悶々としながら、
煮詰まったら1時間置きにテレビをつけて思いきり笑う。
しばらく落ち着いてから作業を再開しようとしたのだが、
何だかあまり気乗りしなくて、床とテーブルの間の
ただ一点だけを黙ってみつめていた。
完全に煮詰まった。言葉が出てこない。
そんな「無」の状態の中で、ふいに学生時代に授業で
創作した詩集が、ぽんと頭に浮かんだ。
(その当時は)自分が一番輝いていた時期に書いた詩を
久しぶりに見てみようと思った。
当時授業で配られた詩をファイリングして大切に保管していたが、
しばらく開いてもいなかった。
改めて見て思ったのが、自分の詞が見事に宮沢賢治風になっていて、笑えた。
かなり影響されている節がある。
とある漫画に一部抜粋された宮沢賢治の詩が衝撃的だったのもあり、
興味を持ち詩集も買った。
雨ニモ負ケズだけじゃなかったわと
ちょっと反省しつつ、彼の世界にしばらく溺れた。
確か読み終わったあとは、小さな宇宙空間にいるような気分になって
しばらく心も体もふわふわしていた。
自分以外の子がつくった詩も読んで、あの頃は…としみじみしながら、
次に宮沢賢治の詩集も見て、そのまた次に
その宮沢賢治の詩が抜粋されている漫画まで読んでしまい、
本来すべき目的を忘れておもいきり脱線してしまった。
はたと、我に返りテーブルと向き合った。
しかし何に満足したのか、さっきとは違う意味で
頭がなにも考えられない状態になってしまい、
もういいやと思って
その日は寝た。(麗)