名前のこと
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数日前、5歳の息子に「オンマ、りゅうのすけ、って名前にしてほしかった」と言われた。彼は無邪気な笑顔だったけど、私は寂しかった。もちろん悪気はないので、悲しい顔も出来なかったが、次の瞬間、彼に「朝鮮人に生まれてよかった」(大げさだけれど)と感じてもらうには、これからどういう話をして、どういう景色を見ていけばいいのだろう…なんてことをぼんやりと考えていた。
私自身も保育園の頃、「小林百合子」のような日本的な名前に憧れたことがある。当時、日本の保育園に外国人はまだ少なく、「キム、パク、チャン」などの朝鮮の苗字は珍しかった。同じクラスに朝鮮の友だちは二人いたけれど、幼心に「みんなと同じじゃない、同じような名前がいいなぁ」というような「意識」が芽生えていたのだ。実際、保育園の友だちに自分の朝鮮の苗字を馬鹿にされたことに少し傷ついてもいた。自分が周りと何か「違う」ことを少しずつ感じて始めていたのは確かだったようだ…。
最近、身のまわりでは、朝鮮語でも日本語でも同じように読めるような名前を意識してつける人が増えている。たしかに、呼びやすい名前はいい。
わが家の場合、朝鮮的な名前にこだわった。この場合、読み方を伝えなければ、日本の方(朝鮮語を知らない方)が名前をどう読んでいいのかがわからない。その点、私がそうだったように、不自由させるかも知れない。けれど、こだわった。
不思議なことに、呼んでいくうちに、名前はどんどんなじんでいく。
最近息子は、ひらがなも書くようになった。
彼に授けたウリイルム(朝鮮の名前)。
今度、朝鮮語で書いて見せてあげよう。(瑛)
やっぱり・・・
よく在日コリアンの方で、例えば評論家の姜尚中さんみたいに、漢字の名前を朝鮮語読みで読ませる人がいますが、正直言って、読みにくく分かりにくいです。
どうしても朝鮮語読みで読ませたいなら、カン・サンジュンみたいにカタカナで表記すべきだと思います。
漢字を読ませたいなら、例えば姜尚中と書いて、きょう しょうちゅうと日本語読みで読ませたほうが良いと思います。
実際、朝鮮本国では漢字は使いませんし、女優でキム・ハヌルさんと言った、漢字にあてはめられない名前の人もいます。
本国で漢字は使わないのに、わざわざ漢字に当てはめる必要はないと思います。
朝鮮・韓国人の名前、中国人の名前
そういえば、日本では中国人の名前は日本語読みで呼ぶ。在日中国人も駐日中国大使館も、本国政府も文句言わない。だって自分たちも中国では日本人の名前を中国語発音してるから。
相互主義ですね。
韓国では日本の芸能人や政治家の名前を、そのまま日本語発音で呼んでくれている(ただし小泉首相は「コイジュミ」だが)。
日本も、過去在日牧師の崔昌華による抗議訴訟などが原因で、朝鮮語発音でコリア系著名人の名前を呼ぶようになった。
これも相互主義。
でも何か変。
どうも腑に落ちない。
中国との関係のように、日本も韓国・朝鮮もお互いの母国語発音で、ラクにお互いの名称を呼び合えないものだろうか?
ブログ主様はどう思われますか?
難しい問題です
お返事が遅れてしまい、ごめんなさい。
その人の名前をどう呼ぶのかは、やはり本人に聞いてみるしかわからないと思うのですが、国同士の場合はどうするか―。難しい質問です。
名前の持ち主と、それ以外の人たち(世界中の!)をスムーズに結ぶ国際基準…。何年か前に朝鮮半島の南北で名前のローマ字表記が統一されていない現状について原稿を書いてもらったことがあるのですが、同じ言語を持つ民族でも表記の「基準」を求めることは簡単なことではないようです。もちろん、朝鮮半島の場合、国土が分断していることが大きな障害になっているのですが。
日本も外国人がどんどん増えてきて、多言語社会になりつつあるので、日本人や日本語話者だけを前提にした表記も限界があると感じています。
また、東アジアは漢字文化圏なので、名前の漢字表記が多々見られますが、その民族や国独自の読み方が尊重されるような基準ができればいいですね。機会を見て調べてみます。
ホントに難しい
瑛さま、丁寧なお返事ありがとうございます。
やはり日本語読みだけで全ての国の人名を呼ぶには限界がありますね・・・・。日本語には存在しない発音もありますし。
韓国・朝鮮語にも、日本語の「つ」「づ」の音がないので、初めて日本語を学ぶ、あるいは観光で来日する韓国人は苦労するらしいですね。
とりあえず外国人名はカタカナで、なるべく原語に近いものを選んで書き、できればご本人に確認してもらって使用するのがベストでしょう。
そう言えば、中国人、韓国&朝鮮人の名称は漢字を日本語読みすることはよくあるのに、かつて漢字を使っていて現在も漢字語の姓名を使う越南(ベトナム)人に対して、日本で日本語発音をされたことがないですね。ベトナムの地名も然り。
例えば最近結婚して双子が生まれたドクちゃん(さん)の姓「グェン」は漢字で「阮」だし、首都ハノイ、ホーチミンは漢字で「河内」「胡志明」。日本では、少なくとも私の知る限り、グェンさん・ハノイ・ホーチミンが「げんさん」「こうない(かわち)」「こしめい」などと呼ばれたのを聞いたことがありません。
さらに、フランスとドイツの関係。
両国民がお互いの姓名をどんな発音・アルファベット表記で呼んでいるのかは存じませんが、地名は自国語で勝手に呼んでいるようです。特に両国は昔から険悪な仲でしたから。
例えばドイツのすぐそばの小国ルクセンブルク大公国は、フランスでは「リュクサンブール」、ドイツでは「ルクセンブルク」。
ベルギー王国の観光地”ブルージュ”はフランス語発音・表記で、ドイツ語発音では「ブルッヘ」。
この国にはベルギー語とも言うべき国民共通の言語がないので、国民はそれぞれフランス語・ドイツ語・オランダ語の亜種と英語を話しています。国歌の歌詞もそれぞれの言語別にあります。日本やコリアより複雑な言語事情。
どっちにしろ外国人の名称は本人に直接聞くのが一番いいようですね。
意見が対立したらどうするか?言語学専門家の力と、一般大衆にどれだけなじみやすいかを考慮して、その都度考えるしかなさそうです。
おそらく外国人姓名の発音・表記法の国際基準なんて存在しないし、これからも出現しないでしょう。
乱筆乱文失礼しました。