ビッグ3
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先週の土曜日、演劇をはしごした。
昼に池袋で「パニ・パニ・パニック」(作・演出:鄭光誠)という阪神・淡路大震災を舞台にした作品を観て、夜には新宿で劇団May「夜にだって月はあるから」(作・演出 :金哲義)を観たのである。この2作品については月刊イオの3月号で紹介する。
「夜にだって月はあるから」の上演が終わった後、いつものように関係者や若干の観客が劇場に残って飲み会を開いた。そこに私もずうずうしく参加させてもらった。
その日は、月刊イオの筆頭執筆者で現在「ジョンホの読み方」を連載している金正浩氏も観に来ていた。金正浩氏は劇団アランサムセの座長でもある。
私と金正浩氏が酒を飲みながら話をしていると、劇団Mayの座長で劇の作・演出をした金哲義氏がやってきた。さらに、今回の作品に客演した劇団タルオルムの座長・金民樹氏も輪に加わってきた。
そう、金正浩、金哲義、金民樹(年齢順)という在日同胞演劇界のビッグ3!?(在日同胞演劇界の3金と勝手に呼んでいる)が一堂に会したのである。
話は、今日の作品の感想から始まり、次に一番年下の金民樹氏に対する同志的で愛情溢れる批評に移り、途中で金正浩氏の月刊イオに対する批判―「月刊イオは劇団Mayばかり宣伝してアランサムセのことはぜんぜん宣伝してくれない。だから自分の連載でそれとなく宣伝しているんだ」― が入り、最後に同胞演劇全般について熱い議論がなされたのである。
そういう話を横で聞きながら、演劇だけでなく同胞文化を担っている多くの人々やその活動をもっと誌面で紹介し盛り上げるための役割を月刊イオがやっていかなければと思った。
それにしても、「夜にだって月はあるから」はすばらしい作品だった。2日間、3回だけの上演だったので、多くても300人ほどの人しかたぶん観ていないと思うが、たった300人では本当にもったいないと思う。演劇は演者と観客の距離が近く一緒に一つの空間を作れるのが良いところだが、観る人間が限られてしまうという部分もある。ぜひ、機会を逃さず足を運んでもらいたいものだ。(k)
※金哲義氏の作・演出の演劇として当面予定されているのは次のような作品です。
●unit航路―ハンロ―「雷を走る龍」
日時:4月15~16、会場:ドーンセンター1階パフォーマンススペース(http://blog.goo.ne.jp/sowon615/)
●劇団タルオルム 第5回公演「金銀花永夜―クムンファヨンヤ― 」
日時:6月17~19、会場:東大阪朝鮮初級学校4階講堂(http://hamoblo.com/talorum/)