期待していたわけではないが
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月刊イオは昨年11月号で、「提案! これからの朝鮮政策」という特集を組んだ。日本で政権交代が起こったタイミングで組んだものだ。
自民党政権が「戦後」も朝鮮民主主義人民共和国を敵対視し近年では不当な「制裁措置」を続け、また日本にいる朝鮮人に対しても弾圧、監視・管理、同化政策を行ってきたわけだが、政権交代は、このような誤った朝鮮政策を改める大きなチャンスであり改めるべきだ、というのが特集の内容である。
私自身、民主党に何か期待をしていたというよりも、それまでの日本の朝鮮政策の問題点を再確認するという意味があったし、「政権交代は政策を見直す絶好の機会なんだから、朝鮮政策も改めてよ。このチャンスを見逃さないでよ」と、ある意味お願いしていたわけである(いま振り返ってみると、どこかで期待していたのであるが)。
現在、緊急な問題となっているのが、高校授業料の無償化制度で朝鮮学校を排除しようという動きである。
日本の各新聞が伝えているが、中井洽拉致問題担当相が在日朝鮮人の生徒の学ぶ朝鮮学校を無償化の対象から外すよう川端達夫文部科学相に要請したという。その理由を「北朝鮮による日本人拉致問題が進展しない状況で、北朝鮮への圧力を示すカードの一つとしたい考えとみられる」(日経新聞、2月21日)と伝えている。
朝鮮を植民地にし朝鮮人の生活を破壊して、何十万という朝鮮人を拉致しておきながら、朝鮮民主主義人民共和国に対して正式な謝罪も補償もしていない日本の閣僚が、どのツラをさげてこんな暴言を吐けるのだろうか。
もし、現実に無償化制度から朝鮮高校が排除されたとしたら、日本政府は、朝鮮学校に押しかけ暴挙をはたらいた「在特会」の連中と何にも変らないことになる。権力を持って堂々と排外主義を実践するということに他ならない。
日本の世論も、オリンピックにうかれているのか、この問題にほとんど関心がないようだ。逆に、ライブドアリサーチ(http://research.news.livedoor.com/r/40856)を見ると「朝鮮高校ははずすべき」という意見が多い(「はずすべき」と書いている人間のコメントを読むと絶望的なってくる)。本来なら、中井担当相は世論によって糾弾され罷免されるべきなのにである。
また、こういうことを書くと、「そんなに嫌なら日本から出ていけばいい」と言う連中がわきでてくる。
民主党政権には、ぜひ、冷静で正しい判断をしてもらいたい(この文章はぜんぜん冷静ではないけれどね)。
文部科学省がこの問題に関して意見を募集しています。
https://www.inquiry.mext.go.jp/inquiry38/
朝鮮高校を排除しないよう意見を送ってください。(k)