朝高生たちが受給できる日まで
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3月31日の参議院本会議でついに「高校授業料無償化法案」が可決されました。この法律の趣旨は、「学びのサポート」にあり、日本の教育関係者の中は経済大国となった世界に遅れつつも、やっと手にした教育への機会保障でもありました。それが、一部閣僚の心ない発言で、外国人学校の中で朝鮮学校だけを、外そうという政治問題にすり替わってしまった。決して政治に翻弄されてはならない「子どもの教育問題」がいとも簡単に政治に巻き込まれてしまった。まさかが現実となり、保護者や生徒たちは大きく傷つけられています。
今回政府が、朝鮮学校を切り捨てるために持ち出したのは、2003年の大学受験資格問題の際の判断基準です。①本国認可を受けた外国人学校、②欧米の学校評価機関の認定を受けた学校はすみやかにこの法律を適用する、とする一方で朝鮮学校は第三者機関を設置して教育内容が高等課程に類するかどうかを判断するというのです。
なぜ、朝鮮学校だけが教育内容のチェックを受けなければならないのか―。この対応は明らかに、「教育の自由」を保障した教育基本法にも違反する教育への不当な政治介入です。この問題に政治生命をかけてきたある国会議員は、朝鮮学校外しの問題は「魂の自由に介入する恐ろしい動き」と言いながら、第三者機関による審査はあからさまな差別だと話します。
昨日(4月1日)、朝鮮高級学校の校長先生、生徒、保護者たち、日本の教育関係者たちが国会で記者会見を開き、朝鮮学校へのすみやかな適用を求めました。茨城朝鮮初中高級学校の崔寅泰校長は、「平和国家日本で、朝高生たちの希望と夢をなぜ実現できないのだろうか。なぜ政治問題にして大人のエゴを押し付けるのか」と悔しさをにじませていました。
「イオ」は、来月中旬に発売される5月号で高校無償化問題の特集を組みます。日本政府によって学校が閉鎖された悲しい歴史を持つのは、外国人学校の中で唯一朝鮮学校だけです。その時から62年たった今、日本でまたこのようなことが起きてしまった。今回の朝鮮学校外しは国際人権規約、日本国憲法、教育基本法にも違反します。日本自らが制定した法律にも違反する朝鮮学校外し。この基本的人権への侵害を浮き彫りにし、一日も早く日本各地の朝高生たちがこの法律の受給権者になれるよう、論点を浮き彫りにしたいと思っています。(瑛)