家族の食事
広告
初夏を思わせる陽気ですね。近場で過ごす連休ですが、たまった家事や衣替えをしつつ、普段、仕事や生活に追われ、ゆっくり過ごせない家族がのんびり一緒にいられることが、ささやかな幸せだなと感じています。
連休といえば、食事の準備に頭を痛める主婦(夫)君もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか? せっかくの休みなので手を抜きたい、だけど財布も気になる! けれど、食事タイムはひっきりなしにやってくる! 時には誰かが作ってくれた食事を食べたい!なんてことを思いあぐねながら、久々に手にとったのが、知人がプレゼントしてくれた料理本「となりの国のスープとごはん」(ウー・ウェン、李映林さんの共著、レタスクラブ)でした。
李さんは最近、引っ張りだこの料理家・コウケンテツさんのオモニムでらっしゃいますが、このお二人の料理や子育てへの考え方は、とってもまっすぐで温かく、時々ページを繰りながら癒されています。
一男一女の母親でもある、中国出身のウーさんは、ご自身の「食育」について、「生きていく力をつけること」とされ、だからこそ、「見た目にもおいしそうで、食べて喜ばれるものを作ろうと思う」と述べられています。一方で安全な水やおいしい生鮮食品を追求するあまり、極端なグルメ思考になっていくというのも、「生きる力」ということからは外れていくのではないか、添加物に細かく目を光らせるより、「出されたものをきちんと食べること」を教えることが、「どんな状況でも栄養を口にし、生きていく力を身につけることになるのです」というモットーを述べられています。
また、ウー家では、「家」と「外」で食べる目的を分け、「うちでは決して食べられないものを…気持ちいい空間で食べる」のだそうです。「上質なもてなしを受けることは、上質なマナーを身につける勉強でもある」と。「心配りされた一皿一皿は大人と同様、子どもの心もとらえ、わくわくさせ、楽しい記憶を体に刻んでくれる」と外食の価値について伝えながら、何でも自分のやりたいことを自由にできる子どもの間に「生きていくたくましさ」を楽しみながら学んでいってほしい、との願いを綴っておられます。
この文を再び読み直しながら、高級店には手が届かなくとも、連休中に楽しい外食を企画してみよう、と思い立ったのでした。(瑛)