思いよ届け! 無償化実現50万人署名
広告
文部科学省がこの8月中に一度は制度から除外した朝鮮高校の無償化の結論を発表しようとしている。
排除か適用か―。結論は文科省の正式発表をなされない限りわからないが、この間、在日コリアンや日本市民らが猛暑の中、集めた署名はなんと50万筆を越え、今まさに文部科学省や政党関係者に要請を重ねている。とくに朝高生たちは11万人分の署名を集めたというから、彼らの姿から排除の不当性を感じた人も多かったのではないか。(写真は7月27日に文科省を訪れた日本各地の朝高代表たち)
「無償化」法には「各種学校」も対象とすると記されているし、文科省も「朝鮮高校を除外する」とは今まで一言も言っていない。にも関わらず、唯一外国人学校の中で朝鮮高校だけが本国認可の確認が取れないという言いがかりをつけられ、「専門家会議」によって教育内容を検証されているのは、「排除」のためだと言われてもしょうがないだろう。
国会議事録によると、「専門家会議」は日本や海外の教育行政や教育制度、都道府県の高等学校行政について識見を有する者。また、会議では、「高等学校の課程に類する課程として満たすべき基準、それを確認する手続、審査の体制と方法」について決めるという。また川端大臣は、その基準について「一般論」だと断りながらも、組織編制、教員の質、教育課程、教育水準、施設設備、学校運営、との発言もしている。「教育課程の中身を審査しているということは一切ない」とも(以上、5月28日文部科学委員会)。
排除か適用か―。結論は文科省の正式発表をなされない限りわからないが、この間、在日コリアンや日本市民らが猛暑の中、集めた署名はなんと50万筆を越え、今まさに文部科学省や政党関係者に要請を重ねている。とくに朝高生たちは11万人分の署名を集めたというから、彼らの姿から排除の不当性を感じた人も多かったのではないか。(写真は7月27日に文科省を訪れた日本各地の朝高代表たち)
「無償化」法には「各種学校」も対象とすると記されているし、文科省も「朝鮮高校を除外する」とは今まで一言も言っていない。にも関わらず、唯一外国人学校の中で朝鮮高校だけが本国認可の確認が取れないという言いがかりをつけられ、「専門家会議」によって教育内容を検証されているのは、「排除」のためだと言われてもしょうがないだろう。
国会議事録によると、「専門家会議」は日本や海外の教育行政や教育制度、都道府県の高等学校行政について識見を有する者。また、会議では、「高等学校の課程に類する課程として満たすべき基準、それを確認する手続、審査の体制と方法」について決めるという。また川端大臣は、その基準について「一般論」だと断りながらも、組織編制、教員の質、教育課程、教育水準、施設設備、学校運営、との発言もしている。「教育課程の中身を審査しているということは一切ない」とも(以上、5月28日文部科学委員会)。
会議の内容は結論発表後、公開されるというが、そもそもこのやり方自体がフェアではない。
問題の大前提として、日本の学校教育法制度は外国人学校が「日本の高校に類するかどうか」を判断する法律の枠組みをもたない。これだけ世界が国際化する中、今後、母校や生まれ育った国を離れて暮らす人たちは増え続けるだろう。そして、いずれ母国に帰ることを望む人もいるだろう。その実現が何年、何十年先になるがわからないが、日本では外国人のための教育を尊重した形の学校システムが必ず必要になってくる。
外国人学校が行う教育をどう評価し、どのようにバックアップしていくのか、という根本的な議論を棚上げにして、朝鮮学校だけを槍玉にあげたこのやり方はどう考えてもおかしい。
しかし、今回遅ればせながらにも無償化が実現すれば、2003年の大学受験資格問題に引き続き、外国人学校が日本の教育制度の中で「学校」に準じた扱いを受けることになる。すでに広島県、兵庫県など、一部自治体は朝鮮学校をはじめとする外国人学校が「学校教育法第1条に準じた学校」と独自に判断し、進学の機会や教育助成の充実に努めてきたが、外国人学校はもはや日本の教育の中で無視できない存在になっている。だからこそ、文科省も当初からその対象に含めたのではないか。
一部官僚の反対論を受け、文科省が当初考えていた朝鮮高校適用は挫折した。
しかし、集まった50万人分の署名には、これを「おかしい」と考える一般市民の声が詰まっている。この声が必ず届くように―。あと、もうひと踏ん張りだ。(瑛)