夏季学童保育
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夏休みも終わりですが、学校に子どもを通わせる保護者たちにとって、子どもに長い休みをどう過ごしてもらうのかは、楽しみであると同時に、悩みの種でもあるようです。
私が小学生だった30年前は、まだ周りに「カギッ子」が多く、長い夏休みは年子の弟と毎日市営プールに通っていました。しかし、景気低迷とともに日本でも共働きの家族が増えており、そのニーズを背景に、公設の学童保育が増え、学校近くの児童館などに通わせる保護者が最近増えているようです。また、子どもをねらった悪質な事件が増えるなか、企業も「学童」事業に参入、放課後時間をビジネスチャンスととらえ、延長保育を引き受けたり習い事も取り入れるなど、独自のサービスで利用者を獲得していますね。
共働き世帯が増えているのは朝鮮学校も事情は一緒。しかし、日本の公立学校のように通学に時間がかかることや、学童に行っても同じ学校の友だちが少ないことから、中々同じように利用する、とは行かないようです。
そんな各家庭を事情を汲み、埼玉の朝鮮学校で5年前から行われているのが、夏季学童保育「하기놀이터(ハギノリト、夏季遊び場)」。お盆休みを除いた夏休みの20日間にかけ、それも利用する児童の保護者や地元の女性同盟のボランティアで進められているというので、取材に行ってきました。私が訪れたのは最終日で、元気のありあまる子どもたちに思う存分楽しんでもらおうと、玉投げや水鉄砲遊び、ボール遊びが行われていました。それにしてもこの炎天下、全身ビショビショになりながら、時には子どもたちのムリな注文に応えながら、思いっきり遊ぶオモニたちの姿に頭が下がる思いでした。
毎日4、5人の保護者で子どもの面倒を見ているとのことでしたが、その保護者は利用者の家庭から募るようです。ただ、仕事を休めず、一回の参加も難しいという家庭も多いとのこと。やはり、手が足りないのが悩みの種のようでした。
それにしても、子どもたちはこの暑さを吹き飛ばすくらい元気でした。
「子どもは何を買ってあげるより、一緒に遊んであげることが一番嬉しいみたい」―。あるオモニの言葉がとても輝いていました。これこそ、子育てを支える地域の輪! 10月号で詳しく紹介します!(瑛)