九州の中の朝鮮をたずねて(佐賀)
広告
さて、勝手に始めたこの「連載」もやっと最後になりました。
「佐賀」といえば、「焼き物」。
有田焼きとか唐津焼きとかみなさん知ってるかと思いますが、
佐賀はこのように焼き物文化が花開いた場所です。
そしてこの文化は、何を隠そう朝鮮半島から伝播されたもの。
そんな佐賀の代表的な3箇所に、行ってきました。
●有田
↑まずは有田の町から。
古い趣の家屋がたくさんあって
雰囲気があります。
いつもはこのように少し閑散としていますが、
↑年に一度、陶器市のシーズンは人、人、人、とすごいらしいです。
↑有田焼なら、お店などにいつでも並んでいます。
値段はピンキリ・・・。
↑有田焼が使われている風鈴もありました。
町は有田焼にあふれているわけですが、
この有田焼を作ったのは、李参平という朝鮮人だったのです!
彼は豊臣秀吉の朝鮮侵略の際、
日本に連れてこられた陶工でした。
そこで、彼が祀られている陶山神社へ行ってきました。
その中に、「陶祖・李参平碑」があるというのです。
↑まずはこの緩やかな坂を進みます。
奥の方にも結構続いています。
↑やっと李参平の碑が見えてきた!(まだまだ階段上る)
あと少し・・・。(そろそろ息が切れてきました)
↑ついに到着!
手前にある階段を登りきり、
左手を見てみると、
↑絶景の「有田ビュー」が見えました☆
こんなに高く、空気が澄んだところに碑が建てられたなんて・・・
かつて日本に拉致されてきた陶工・李参平を憂う気持ちとともに、
彼が残した功績の大きさが誇らしく思えてきました。
●伊万里
↑お次は、お隣・伊万里の大川内山エリアへ。
ここは有田焼を管轄していた鍋島藩直営の藩窯があったところ。
ここで朝廷などに献上する最高級の焼き物が焼かれたとか。
↑大川内山入り口にある橋は陶器の素材でコーティングされていました。(豪華~)
↑橋の上にくっついていた伊万里焼。
「秘窯の里」っぽさがぷんぷん漂っています!
一方、ここにもやはり朝鮮人陶工たちの足跡が。
名もなき陶工たちの無縁仏搭が建っていました。↓
●唐津
最後は玄界灘を抱く唐津へ。
↑ざらっとした土の感じが素朴な唐津焼。
これもルーツは朝鮮半島にあるんです。
有田、伊万里と同様に、
現在も多くの窯元がある唐津では、
ユニークな窯跡が残されていました。↓
「連房式登窯」といって、自然の傾斜を利用して、
一度にたくさんの焼き物をつくれるものだそうで、
朝鮮半島から日本にもたらされた一つの技術なんだとか。
ここへの行きかたは唐津駅構内の観光案内所で教えてもらえます。
(とても親切な方がいます)
そして九州の旅をしめくくるため、玄界灘を見にいくことに。
「海岸の方へ」という漠然とした考えでバスに乗ったのですが、
↑少しイメージと違ったんですね。
これでは普通の海水浴場じゃないかー!
もう少し壮大に見える場所がないかと考え、
「唐津城に上ろう」と思いつきました。
高いところから違ったアングルで撮ったらいいんじゃないかと思い。
またまたバスで唐津城へ。↓
移動の疲れと暑さで少しバテ気味だった私は、
片道100円のエレベーターを使って天守閣まで上りました(笑)。
そこから見えた景色がこちら↓
(・・・まぁ、さっきのよりはいいんじゃないでしょうか☆)
冬とかのほうが見通しがもっといいんでしょう。
でも、高いところだけあって吹く潮風が爽快でした。
この海の向こうから祖先たちが渡ってきたのか・・・と、
しばし思いにふけった後、帰路についたのでした。
みなさん、九州に行く際には、
イオ9月号の旅特集をちらっと思い出して、
一箇所でもいいので朝鮮とゆかりのある場所をめぐってみてくれたらと思います。
いろんな場所に、物に、身近な朝鮮が詰まっています。
美術館やギャラリーめぐりもステキですが、
たまには実際に外へ足を運んでみるのもいいのではないでしょうか♪(里)