「いまの若者は」
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先日、日本の大学に通う在日本朝鮮留学生同盟に所属する同胞学生たちの前で少し話す機会がありました。
私が日本の大学から世間一般的には特異な道を進み、現在、同胞たちのための雑誌の編集に携わっているということで、「先輩」という立場から少し話をしたわけです。
小中高時代や大学時代のことから始まり、なぜ、今の道を選んだのか、総聯の出版・報道活動をする中で感じたこと、学んだことなどを、何ら誇張もなしに(しかし、良い部分だけを選んで)、話しました。
大学を出て、あれこれ30年になりますが、当時は同胞社会も今より活気があり、総聯の出版・報道分野で働く人たちも現在の何倍も多くいました。私はとくに出版・報道の道を強く希望したわけではなく、どちらかというと消去法で選んだのですが、それでも受け入れてくれたのは、それだけ受け皿が大きかったからだと思います。
現在は、朝鮮大学校の卒業生でも、希望してもこの道に進めないという場合があるので、私がいま卒業生なら、絶対に他の職業についていたことでしょう。
また、当時は日本社会も成長を続けていた時代だったけれど、現在はそうではありません。
振り返ってみると、「良い時代」に記者・編集者として活動することができたと思います。逆に言うと、いま、例えば朝鮮新報社で働いている若い記者たちは、難しいなかで仕事をしていると言えます。月刊イオ編集部も、私以外はみんな20代、30代ですが、いろんな意味で困難な状況のなかでも頑張っている、その姿をいつも感心して見ています。
「いまの若者は」と、歳をとった者は決まって、苦言を言いますが、われわれの世代よりも、その下の世代のほうが、民族教育をはじめ同胞社会を守り発展させるために、確実に汗を流しています。
話を聞いてくれた留学同の学生たちは、卒業を控えた4年生が多かったようです。「同胞社会のためになることをやりたい」と思っても、なかなか思い通りに今後の人生を設計できるかどうか、わかりません。恵まれた時代から活動してきた私の話が、どれだけ参考になったのかと、ちょっと心配でしたが、みなさん、熱心に聞いてくれていました。
その日の集まりは、私にとっても貴重な体験となりましたが、話が終わった後の質疑応答で、一人の女子学生が「なぜ、イオでは留学同のことを載せてくれないのですか」とツッコまれたのには、まいりました。(k)
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以下、告知です。
月刊イオでは、2010年12月号で、「同胞社会における男性(父親)の子育て」をテーマに特集を組むことになりました。そこで、「男性の子育て」についての実情や意識について、子ども(10歳くらいまで)を持つ同胞のみなさんにアンケートをお願いしています。アンケートは、父親用、母親用の2種類があります。
ぜひ、同胞男性の「封建的な意識」が、どれだけ改善されたのかを知るためにも、アンケートにご協力お願いいたします。
アンケート用紙は下のアドレスから入り記入することができます。
https://www.io-web.net/anq_appakoso/
もうひとつ。
劇団アランダムセの公演「夢の国さがして」(脚本:金元培、演出:金正浩)が今日から行われます。私はたぶん、明日観にいきます。皆さんもぜひ。
28日(木)19:30
29日(金)19:30
30日(土)14:00、19:00
31日(日)14:00
場所は新宿のタイニイアリス(新宿区新宿2-13-6 B1)。
前売2500円、当日2800円、学生2000円