大阪朝高、Aシード同士の激突を制す
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いよいよベスト8の激突となる準々決勝。高校野球でも、準々決勝が一番面白いと言われていますが、今日の4試合はすべて接戦となりました。
大阪朝高は、同じAシードの流経大柏(千葉)とベスト4をかけて対戦しました。この対戦、昨年の準々決勝と同じカードです。結果から言うと、大阪朝高が見事に返り討ちにしました。
試合前、呉英吉監督は、「残った8チームは力の差はない。選手たちには自分たちで考えて楽しんでラグビーをしてもらいたい」と語っていました。
試合開始から10分、大阪朝高はもたもたします。8分、流経大柏に先制のトライを決められ0対5とリードされる苦しい立ち上がり。しかし、相手の攻撃を固いディフェンスで押さえ、追加点を許さない。ディフェンスからリズムを作る大阪朝高の本来の姿が出てきました。
14分にゴール前10メートル右中間でのスクラムから右へチョウ・ソンギョン、リャン・ジョンチュと展開しリャン選手がトライ。ゴールも決まり7対0と逆転します。試合後に呉監督が語っていたのですが、出場できなくなったコン・ユイン選手の代わりに今日入った2年生のホン・テイル選手が相手にみまったタックルから攻撃のリズムが生まれトライに結びついたということです。
ホン・テイル選手は今日出場することを昨日の練習の時に言われたそうです。ディフェンスには絶対の自信を持っているとのことで、初の大舞台にもまったく緊張せず、楽しんでプレーできたと試合後言っていました。なかなかの心臓の持ち主です。
前半18分、ペナルティーゴールが決まり10対5で折り返します。
後半開始もこう着状態が続くなか、7分、先にトライを決められてしまい10対10の同点に追いつかれます。しかし、ここから大阪朝高が本来のフォワードとバックスが一体となった素晴らしいラグビーを展開してくれました。
そのなかでも光っていたのが、10分、15分、29分と立て続けにトライを決めたナム・ジョンソン選手。尾道との試合でも決勝のトライを決めた選手。大きな身体ながらスピードがあり、相手のディフェンスを次々と突破していました。
終わってみれば32対10で、大阪朝高の快勝でした。本来のリズムというか、強さが戻ってきた感じがしました(あくまでも素人目ですが)。尾道戦では、やはり、コン・ユイン選手の抜けた影響があったと言います。しかし、今日の試合では尾道戦の反省点を修正できたと、呉監督も試合後に語っていました。
大阪朝高の試合終了後、すぐに準決勝の対戦カードの抽選がありました。ベスト4に残ったのは、大阪朝高(大阪第1)、東福岡(福岡第1)、桐蔭学園(神奈川第2)、 関西学院(兵庫)の4校。
大阪朝高のキム・ガンテ主将がまずクジを引き、第1試合に。次に関西学院が引いて第2試合に。この段階で準決勝で対戦するのは東福岡か桐蔭学園かのどちらか。どちらもAシード校で優勝候補です。そして、3番目の桐蔭学園の主将がクジを引くと第1試合。その瞬間、観客席がざわめきました。そして、横にいた呉監督が小さくガッツポーズをしたのを見逃しませんでした。
桐蔭学園は昨年の1月5日の準決勝で当たり、完敗した相手。ちょうど1年経った同じ1月5日に再び戦うこととなりました。キム・ガンテ主将は、「同じ相手とやれるのは運命かもしれない。今度は絶対に勝ちたい。そして必ず決勝に進む。桐蔭、東福岡を倒さないと全国制覇はない」とリベンジに燃えていました。
今日の競技場には、本当に多くの同胞が訪れ応援を送っていました。キム・ヨンヒ選手は、「大きな応援が本当に力になり背中を押してくれた。必ず優勝し期待に応えたい」と語っていました。
大阪朝高の準決勝は1月5日午後1時から。同胞のみなさん(日本人の方も)、ぜひ競技場で熱い声援を送ってください。(k)