「当事者意識」と「身の丈」
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今回も宮城出張の話を。
宮城に滞在している間、「どれだけ当事者意識を持っていられるか」、それを「どれだけ具現できるか」ということを考えていました。
以下は東北朝鮮初中級学校のある教員から聞いた話です。
その教員は宮城県沿岸部へ行って、眼前に広がる惨状に衝撃を受け居ても立ってもいられず、現地を訪れていた同胞医師に、「いますぐ沿岸部の同胞のために何かできることはないか?」と聞いたそうです。
すると同胞医師は教員にこう言いました。
「君に何ができるんだ。言ってごらん」
「そしてそれをいつまでできるんだ?」
教員は思わず口をつぐんでしまったそうです。
「本当の支援とは継続することだ。支援される側は、1度支援を受けるとずっと待ってしまう。継続できないならばやらないほうがいい」
教員は医師のその言葉を聞いて、いま復興のために自分ができることは教員の仕事をしっかりとこなすことだと思ったそうです。
同胞医師の言葉は極論かもしれませんが、間違ってはいないと思いました。
実はこれは私がその教員に、いま最も求められている支援は何かと聞いたときに話してくれたことです。教員は、「物質的な支援より、支援する気持ちをずっと持ち続けてほしい。絶えず東北にエールを送ってほしい」、そう言っていました。
出張の間、多くの来客があったことは直近のブログにも書きましたが、そのなかには被災地を自分の目で見るためにやってきたという同胞もいらっしゃいました。
時が経っても「対岸の火事」になってはいけない。関心を絶やさないことは大切ですけど、同時に支援される側もする側も無理をして双方が疲れてしまっては元も子もない。
今回の震災は数年を見越した長い復興事業になる分、末長く支援できるよう、個々人の身の丈にあった支援方法を模索していかなければいけないと思いました。
さて、イオ6月号も最終工程に入りました。5月号に続き今回も震災特集をお送りします。今回の特集は被災地の同胞によりクローズアップした内容となっています。完成まで今しばらくお待ちください。(淑)
Unknown
この記事を読んで、深く深く、自分を見つめなおす切欠となりました。
うしお君さまへ
コメントありがとうございます。
被災地では幾度となく自分を省みる場面に遭遇しました。
戒めとしてその気持ちを忘れないようにしたいです。