がんばれサッカー朝鮮代表
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サッカーの2014年ワールドカップ・ブラジル大会のアジア3次予選の組み合わせおよび日程が決まりました。朝鮮は日本、ウズベキスタン、シリアと同じC組に入りました。
アジアの出場枠は4.5。3次予選は、20チームが5組に分かれてホームアンドアウェー方式のリーグ戦を行い、各組2位までの計10チームが最終予選へ進むことができます。最終予選では4チームが本大会出場権を獲得し、残る0.5の枠は南米予選5位との大陸間プレーオフで争われます。
日本でのサッカー朝・日戦(男子)は2005年2月9日のワールドカップ・ドイツ大会アジア最終予選以来6年ぶりです。
私が初めてサッカー朝・日戦をスタジアムで観戦したのは1989年6月4日のことです。ワールドカップイタリア大会アジア1次予選。当時、私は朝鮮学校中級部2年生でした。あの日のことは今も記憶に鮮明に残っています。
前半に朝鮮チームが先制ゴール! しかし後半に2点を取られ逆転負けを喫してしまいました。試合の結果もそうですが、スタンドでのサポーター(当時はこのような呼び方ではありませんでした)同士の乱闘騒ぎも印象深く残っています。私が座っていた場所からは少々離れたところで起こったのですが、遠目から見ても何か尋常ではない事態が発生したことは中学生の少年にもはっきりとわかりました。
それから、04年4月24日の女子サッカーアテネ五輪予選もさいたまスタジアムまで観戦しにいきましたが、0-3という予想外の惨敗。そして、冒頭に挙げた05年2月9日の試合も1-2で惜敗。
そうです、私は朝・日戦での朝鮮チーム勝利に一度も立ち会ったことがないのです。3試合しか生で観戦したことがありませんが。
なので今回はぜひとも朝鮮代表にがんばってほしいな、と。9月2日の試合も当然スタジアムで観戦希望です。仕事(取材)での観戦になるかもしれませんが。一度でいいから、朝鮮代表の勝利の現場に立ち会って、スタンドで盛り上がってみたいんですよね(笑)。去年のワールドカップでも全敗でしたし。
在日同胞のプロサッカー選手も代表入りしています。C組は強豪ぞろいですが、ぜひ最終予選に進出、そして2大会連続の本大会出場をなし遂げてほしいですね。ワールドカップ本番は3年後で、大陸予選は長丁場なので、初っ端からあまり熱くならず長い目で楽しみたいと思います。
追記。朝鮮と日本が同じグループに入ったということで、この期間はサッカー以外の話題でも盛り上がってしまうのでしょう。
日本政府は朝鮮に対する制裁措置として朝鮮籍保有者の入国を原則禁止しているので、朝鮮代表チームの入国問題が取りざたされています。枝野官房長官は1日の記者会見で、朝鮮チームの入国について「日本サッカー協会などと相談し適切に対応したい」とのべました。マスメディアはこぞって「前向きに検討する考えを表明」みたいな書き方をしているのですが、「前向きに検討」するまでもない当然のこと。枝野長官も「適切に対応」ではなく、「入国? もちろんOKでしょう。当たり前のこと聞くな」くらいのことを言えないのでしょうか。それとも、当局やメディアはまたしても7月のアジア・オリンピック評議会総会の時のように「特例」を強調しつつ、入国を認めるのでしょうか。
この間、ネット上では朝鮮に関するさまざまな話題が飛び交うことでしょう。自国チームを応援することに何ら問題はありません。心ゆくまで応援すればよろしい。いいプレーには拍手を送り、勝てば喜びを爆発させればいい。でも、相手に対する誹謗中傷はやめてもらいたい。相手をけなし、否定することでしか表出されない「愛国心」のたぐいは見ていて醜悪です。(相)