日曜日は丹波マンガン記念館へ行こう
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6月26日に再開館した「丹波マンガン記念館」(京都府京都市右京区)へ行ってきました。
「丹波マンガン記念館」は、日本植民地支配の加害の歴史を伝える博物館で、1989年に創られました。戦前、朝鮮人と被差別部落民たちが強いられた過酷な労働の現場を再現することで、日本社会に植民地支配の責任を訴えつづけてきました。
同館は2009年、資金難から閉館となりましたが、再開館を果たしたということで、再建の経緯を取材してきました。関係者数人にお話をうかがい、実際に記念館にも足を運びました。その内容は9月号でご覧ください。
さて、晴れて再開館したマンガン記念館ですが、私が見たものは「再開館」というポジティブな言葉にはおよそ似つかわしくないものでした。失礼ですが、あけすけに言えば「ボロボロ」でした。
同館は初代館長である故・李貞鎬さんが家族とともに創り、その後息子の李龍植さんが継いで、20年間個人の努力により維持されてきました。博物館を個人で運営するというのは財政面はもちろん、整備や補修の面でも並大抵のことではありません。再会館にあたり、記念館を組織的に支えるため、運営を個人から「NPO法人丹波マンガン記念館」に移行しました。それで再開館を前に、坑内の坑木(支柱)を取り替えるなど、施設の補修工事を行いましたが、資金不足から最低限しか手が届かなかったそうです。本来であれば植民地支配の反省と謝罪から、日本政府が運営して当然です。しかし自治体からの運営補助はなく、再開館を果たした今も厳しい運営を迫られているのが実情です。
NPO法人丹波マンガン記念館では、現在、財政基盤を立てるための懸命な取り組みを行っています。その一環として今月7日から始まったのが、「丹波マンガン記念館バスツアー」。毎週日曜京都駅から記念館まで直通で運行され、朝青や留学同、韓青のメンバーによるガイドボランティアが施設を案内してくれます。また、記念館周辺の観光名所もツアーに組まれています(※パンフレット参照)。従来、マンガン記念館へ行くには、バスを乗り継ぎ、さらに徒歩。運行ダイヤも間隔が広く、交通至便とはいえません。ですからこのツアーが広まれば、継続的な集客につながると思います!
世間は夏休み、京都まで足を延ばして歴史を見つめなおすのもいいのでは?
日曜日は丹波マンガン記念館へ行こう!私たち一人ひとりの関心が貴重な歴史保存事業を支えます。(淑)
※予約・問合せ:NPO法人丹波マンガン記念館事務局(075-681-0280)
予約受付は前日17時まで