食文化いろいろ
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「物語 食の文化」という本を読みました。
この本には、食材、調理法、食事のしきたり、さらに各地各時代の食文化などが広く紹介されています。
どのページから読んでも面白い、新書でありながら百科事典的な本でした。
本を読んでつくづく、豊食(飽食とも書きますね)の時代に生まれてよかったなと思いました。
今ほど食べものをあれこれ選べる時代はなかったでしょう。
本の中の「西洋の食文化小史」が面白かったです。
●古代ギリシャ人は1日3回の食事をし、朝食は朝日がのぼるとすぐ食べていた。
朝食には生のワインに浸したパンを食べていた。
好物は魚で、とくにウナギは最高級のご馳走であった。
●多くのローマ人は食い意地が張り、満腹になると鳥の羽根で喉をくすぐってわざと嘔吐し、胃を空にしてまで食べた。
客は横たわってひじ枕をし、右手の指で食べものをつまんだ。
…などなど。寝転がりながら食べ、吐いてはまた食べ、という食スタイルがあったなんて、初めて知りました。
西洋といったら、美食文化のフランス…とかいうイメージが先行していましたが、
古代や中世は今とまったく違う食文化が根づいていたようです。
興味深いです。
この本には朝鮮半島の食文化のことが直接的にはあまりふれられていなかったのですが、
以前、「韓国の食」という本をパラパラっと読んだ時に、とても興味深いことを知りました。
朝鮮の宮中では朝、起きて顔を洗った後にすぐお粥を食べる習慣があったそうです。
「粥膳」という、朝ごはんとは別の食事です。
その後、着替えてからふたたび朝の食事をしていました。
「ただ食す」という時代から、美味を求め、さらには健康増進のためにとられるようになった食事。
食の文化は本当に奥深く、面白いです。(里)