朝鮮大学校で国際シンポジウムが
広告
先週の土日は母校である朝鮮大学校創立55周年記念行事がありました。
私は土曜日にあった「朝鮮問題研究センター」設立記念 国際学術シンポジウムに参加してきました。
テーマは「躍動する朝鮮半島、その展望と課題」。
講師は鄭己烈・清華大学訪問教授、金景一・北京大学教授、小牧輝夫・北東アジア研究交流ネットワーク幹事の3人で、
朝・米関係、朝・中関係、朝・日関係についてそれぞれ話をしてくれました。
とくに海外から訪れた同胞教授が語る言葉は新鮮で、響くものがありました。
「『反テロ戦争』を口実に自衛力のない国々を攻撃する行為に、アメリカの帝国主義の本質が見える。
朝・米関係においても決して幻想を抱いてはならない。しかし、未来がないという意味ではない」(鄭己烈教授)
あと、歴史を遡ってみると朝鮮半島がアメリカとソ連によって信託統治下におかれたことに
南北分断の元凶がある、あの当時南北朝鮮が団結できていたら…という金景一教授の言葉から、
過去も未来も南北関係が一番大切ではないか、と思わされました。
また、今まで地政学的関係性が強かった朝・中両国の関係が、
今では地経学的な需要と供給の関係にあると言っていたのも印象的でした。
朝鮮と中国では現在、黄金坪・威化島と羅先経済貿易地帯の共同開発が進められていますが、
中国がこのように他国と共同開発にのぞんだのは朝鮮が初だそうです。
平壌科学技術大学の朴贊謨名誉総長の特別講演もあり、
「科学外交を通じた国際協力と平和追求」というタイトルでいろいろなお話をしてくれました。
平壌科学技術大学は2010年に創立されたばかりの新しい大学ですが、
世界平和に通じる「science diplomacy(科学外交)」を担っていく人材の育成を目的に、
さまざまな取り組みを行っているといいます。
今年10月には大学創立1周年を記念して国際学術討論会が催され、
アメリカや中国、イギリスなどから学者たちが集まったそうです。
さらに、ノーベル賞受賞者と大学生たちとの交流もあったそうです。
名誉総長は「2020年までに、世界大学ランキング20位以内に入るはずだ」と話していました。
将来的に朝鮮大学校との交流も始めたいと言っていました。
これが実現されたらすごいですね。
あとは、民間の科学者レベルでは、朝・米関係は非常に良好であると笑顔で話していました。
きびしい現状に関する話もありましたが、
これからもたらされるであろう大きな変化を予測したお話に、
期待が高まる、そんなシンポジウムでした。
海外の同胞のお話を聞く機会はとても珍しいものだったので、
そういった意味でも行ってよかったです!(里)