2012年、クァセアンニョンハシムニカ
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2012年、初めてとなるイオブログです。
年末年始、読者の皆さんはどう過ごされましたか?
私は大晦日は祭祀の準備をし、新年は各地から集まった親戚と久しぶりに再会しました。
この間、学校が冬休みということもあって、息子と電車で出歩くこともあったのですが、駅の所々に書かれたハングル(例えば입구・入口など)に興味を覚える姿や、祖母と朝鮮の民謡をカラオケで歌う姿を見ながら、そして、一方ではテレビ画面に流れる韓流スターの多さに圧倒しながら、30年前と子どもをめぐる環境は目まぐるしいほどに変わったなぁと物思いにふけっていました。
2012年はどういう年になるでしょうか。
私にとっては、今後も暮らしていく日本の状況、そして、日本から一番近い朝鮮半島、そして半島に連なる中国やロシアの変化も気が気ではありません。今年、これらの国々で選挙が続く、ということもあるでしょうが、それが日本に暮らす私たちにどれほどの影響があるのか、何より、自分自身が変化にどう対応し、どう準備するべきか、を考えています。
そこで思い出したのが、母方の叔父が、正月に会うたびに見せてくれたスクラップノートでした。二代目の実業家だった叔父は、朝鮮半島や日本をめぐる新聞記事をノートに貼り付け、自分なりに政治がどう動いていくのかという見通しを、会うたびに私に話してくれたものです。今でこそインターネットや情報処理技術の進展で「新聞のスクラップ」をする人は減ったでしょうが、そこには数多ある情報を五感を張り巡らせながら整理して吟味し、必要とあらば現地に向かいながら、自分の「立ち位置」や「時代の流れ」を読む、そんな姿勢があったように思います。
十数年前に亡くなった叔父には、南に故郷に置く両親や親戚の存在、朝鮮民主主義人民共和国に帰国した弟など、自分の存在が朝鮮とつながっていたからこそ、情勢分析は必ず必要なものだったのだと思うのです。
世代は一巡し、私にとっても「日本と朝鮮」は大きなテーマであり続けています。
それは、一番近い隣国である日本と朝鮮半島の間に軍事的な緊張が解け、関係が修復されれば、互いの文化がさらに豊かなものに、なにより人々の暮らしが穏やかなものになると考えるからです。在日朝鮮人の生き方もダイナミックに変わっていく。
もちろん、この理想を実現させることは簡単ではありません。
だからこそ、今年のイオでは、それを阻むシステムや人々の意識を見つめつつ、「壁」をのりこえる人々、「壁」を突きやぶっていくような明るい話題も提供していきたい。
今年、創刊16年を迎えるイオ、皆さまのご意見や情報提供を引き続きお待ちしております。
何より、皆さまが健やかな毎日を送られることを。
ポクマーニ パドゥセヨ(복많이 받으세요)!!!(瑛)