Year of the Dragon
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2012年が明けました。新年のご挨拶申し上げます。
昨日は今年の仕事始めの日。年末年始の休暇はあっという間に終わり、わがイオ編集部は昨日から2月号の校了日に向けて最後の追い込みに入っています。
普通なら、休みの間の出来事などについていろいろと楽しいおしゃべりの時間があるのでしょうが、部内は戦闘態勢なのでそうもいかず。まあ、私には特に何も話すべき内容がないのですが。昨年の新年一発目のブログには、年末年始を父方の実家がある山口県岩国で過ごした話を書きましたが、今回はどこにも遠出しませんでした。遠出はおろか地元千葉から一歩も出ないという、近年まれに見る寝正月でした。アップした写真は、正月に自宅で行った祭祀の写真です。
さて、2012年です。
昨日のブログで(瑛)さんも書いていましたが、今年は朝鮮半島とその周辺諸国の情勢が大きく動くことが予想されます。
2012年を指して「スーパーイヤー」と表現するメディアもあります。アジア・太平洋地域を中心に主要国で選挙があり、国の指導者が代わるからです。ざっと挙げても、1月に台湾総統選、3月にロシアの大統領選、秋の中国共産党大会では新指導部人事が行われ(選挙ではありませんが)、11月には米国の大統領選(オバマ大統領再選という可能性もあり)、そして翌12月の韓国の大統領選と続きます。韓国の場合は、4年に1度の国会議員選(4月)と、5年に1度の大統領選が同じ年に重なるという「選挙イヤー」です。これは20年に1度のことで、次回にこのスケジュールになるのは2032年です。
ということで、日本を除き、東アジアの安全保障に関わる主要な国・地域で指導者が交代するか、または交代の可能性があるイベントが予定されているのが今年なのです。指導者の交代で一切合財が変わるというのは大げさですが、国内および地域の情勢に少なくない変化をもたらすことは間違いないでしょう。
朝鮮では昨年12月17日に金正日総書記が逝去するという衝撃的な出来事がありました。朝鮮は数年前から2012年を強盛国家建設と絡めて大きな意義づけをしてきました。これは当然、上に言及したような地域情勢の変化も念頭に置いたプランです。昨年末、国の最高指導者の急逝という予期せぬ事態に直面した朝鮮ですが、その後は新指導者を中心とした体制が着々と整備されています。
自分個人としても今年、朝鮮半島をめぐって起こるだろうさまざまな動きをしっかりと見定め、可能な限り情報を発信していこうと考えています。
そして、朝・日関係についてもさまざまな角度から考えてみたいと思っています。今年は朝・日平壌宣言の発表(2002年)から10年にあたる年です。朝・日関係の歴史において大きな転換点となり、両国関係のみならずわれわれ在日朝鮮人のその後にも大きなインパクトを与えた朝・日首脳会談および平壌宣言。同宣言に対してはさまざまな評価がありますが、両国関係の歴史において最重要の文書であることは間違いありません。
現状、両国の政府間交渉は(少なくとも表に出る部分に関しては)数年前からストップした状態です。この10年を振り返って、何が変わって何が変わらなかったのか。この10年だけに限定して論じなければいけないわけではありませんが、この機会に朝・日関係のあり方や在日朝鮮人を取り巻く状況、そして今後について、(私たちを含めた)メディアや研究者の間で積極的な発言がなされてもいいのではないか、と感じます。(相)