今年こそ、「無償化」実現!
広告
日刊イオ読者の皆さまに新年のごあいさつを送ります。
イオ読者の皆さまにとって、今年が良い一年でありますように。そして、すべての人々にとって幸多き一年でありますように。
2011年の暮れは、ゆっくり一年を振り返る時間(物理的時間というより心理的時間)もなく、慌ただしく過ぎてしまいました。
年末年始は遠出もせず、都内でいつもと変わらない日常を過ごしていましたが(夏の休暇明けにも同じようなことを書いていたような・・・代わり映えがなくてすみません)、久しぶりに一家6人そろって食事をしたことが、一つささやかな喜びでもありました。
ちなみに元旦に見た2012年の初夢は、イオ編集部オール出演で、2月号の〆切に追われる…といういたって現実的な夢でした。そして嬉しいかな悲しいかな、今まさに現在進行形で初夢が実現されています!(笑)
2012年はどういう一年になるか。(瑛)さんと(相)さんが大きな動きを書いてくれましたが、やはり年が明けると、あれこれと願掛けをしたくなるもので、「今年こそは」と思わずにいられません。
朝鮮半島と、その周辺諸国で大小の変化があるであろう2012年、私たち在日朝鮮人社会を取り巻く状況も改善されるべき問題が山のようにありますが、なかでも今年こそ決着をつけたいと思うのが、朝鮮学校への「高校無償化」除外問題と、それに波及する補助金の問題です。
「無償化」問題が浮上して2年。この間に多くの朝高生が無念のまま卒業していきました。昨年の東京朝鮮中高級学校の卒業式では、卒業生代表が菅直人首相(当時)に宛てた要請文を朗読するという異様な場面がありました。今でもその時のことが忘れられません。世界のどこに要請文を読む、読まなければならない卒業生がいるだろうかと。
昨年末、(k)さんがブログで、大阪朝高ラグビー部のキャプテンの言葉――「朝鮮学校をとりまく状況が良くないなかで、同胞たちの期待に応えられなくて心が痛い」――について、「こちらが申し訳ない」と書いていましたが、彼に限らず、今の朝高生は、私たちが高校生だったころと比べようもないほど、否応なしにたくさんのものを背負わされていると思います。彼らが担うには、あまりに重く、つらいものです。
この2年間、幾度となく行われた「無償化」集会の場で、「皮肉にもこの闘いのなかで、生徒たちは勇ましく成長した」というようなことを度々耳にしました。確かに生徒たちは、普通だったらするはずのない経験をして、たくさんのことを学んだかもしれません。ですがそれは私たち自ら望んだ闘いではなく、国家権力により強いられたものであり、歓迎すべきものでは決してないと思います。
朝鮮高校の卒業式まであと2ヵ月余り。朝鮮学校側は、2011年内に「無償化」が適用されなければ、年明けにも弁護団が動き、生徒が原告となる国賠訴訟に踏み切るとの方針を示しています。
「無償化」問題、今年こそ決着をつけたいと書きましたが、年内ではなく、3月の卒業式に間に合うように、適用に向けて政府内でしっかりと進めてほしい。今年の卒業式では、卒業生たちの晴れやかな笑顔だけが見られますよう。(淑)