「20年間の水曜日―日本軍「慰安婦」ハルモニが叫ぶゆるぎない希望」という本
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今日は本の紹介をしたいと思います。
イオ2月号の書評の欄でも大きく紹介されている「20年間の水曜日―日本軍「慰安婦」ハルモニが叫ぶゆるぎない希望」という本です。
2月号で編集長が詳しく書評をしているので、そちらも合わせて読んでいただければと思います。
この本の著者は<「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)の常任代表であり、
日本軍「慰安婦」ハルモニたちとともに毎週水曜日、ソウルの日本大使館前で水曜デモを開催している>方だそうです。
(淑)さんからこの本は日本軍「慰安婦」について、
詳しくそしてわかりやすく経緯もわかる良書ですよということで薦めてもらい、読んでみました。
内容は涙なしでは読めないものでしたが、ジュニア用単行本の日本語版ということもあり、
経緯などもとてもわかりやすく書かれていて、むずかしい文章もさほどなく、すらすら読めました。
日本政府が慰安婦問題は解決済みだという根拠としてだしている
「女性のためのアジア平和国民基金」のことについてもわかりやすく書かれています。
なぜ「国民の募金を集めて見舞い金」とするカタチが賠償になるのか。
なぜハルモニたちが反対したのか。
お金というものが欲しいのではく、ハルモニたちが求めるものはなんなのか。
この本を読んで、より詳しくハルモニたちの状況や心情、そして苦しみをわかることができました。
そしてこの本の素晴らしい所は、日本軍「慰安婦」にされたハルモニたちの写真はもちろん、
ハルモニたち自身が描いた絵も掲載されていることです(オールフルカラーで)。
私は4年間美術科に行き、絵を習ってきましたが、絵画というものは決して嘘をつくことができません。
ハルモニたちの絵画からは胸に静かに迫ってくるその時の状況や苦痛などが伝わってきて、
なんとも言えない気持ちになり、気づけば涙がでていました。
この本は日本軍「慰安婦」問題にとどまらず、広い視野で世界の問題についても書かれています。
著者は自国の歴史についても反省の文を書いています。
そして、日本軍「慰安婦」被害女性たちの水曜デモが単に補償や賠償,
「お金」を求めている問題ではないということも気づかせてくれる良書です。
最後に綴られるハルモニの遺言、
「戦争を止めなければなりません。私たちのような犠牲者が再び出ないように、平和な国を必ずつくらなければなりません。
そのためには博物館が早く建てられて、次の世代が私たちの歴史を見て学んで、私たちのようにだまされたり、私たちのような目にあったりすることがないように、
あんな厳しい歳月をおくることがないようにしてもらいたいと思います」
本当に、気づかされることの多い本です。(愛)