非人道的な朝鮮に対する「制裁措置」
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月火と朝鮮(ウリナラ)の話が続いたので、私もウリナラ訪問の話を。
いまウリナラに行こうとすると、中国経由で飛行機というのが一般的だ。北京経由で高麗航空を利用すると、飛行機の時間の関係で行きは北京で1泊することになる。
私も一度だけ3年前に北京経由でウリナラに行ったことがある。中国は初めてだったので、1泊することにより北京市内を観光できたから、それはそれで楽しかったのだが、空港での乗換えがたいへんだった。団体ではなくまったくの単独行動だったということもあり、不安が大きかった。
ウリナラには9回ほど行っているが、北京経由が1回、ウラジオストック経由が1回で、それ以外はすべて新潟から船に乗って行っている。新潟からだと、昔は2泊3日、マンギョンボン92号が就航してからは1泊2日の船旅になる。
波が高いときは船酔いに悩まされるが、私はこの船の旅が嫌いでなかった。マンギョンボン92号に乗った瞬間からそこはウリナラとなる。船員はみんな朝鮮の人たちだし、食事も朝鮮のものが出てくる。
1泊2日という時間がまた良くて、日本での仕事の日々からウリナラでの日々へと、気持ちや身体が自然に切り替わっていくのがわかった。
船のメリットはまだある。制限をあまり気にせずに荷物をたくさんもっていくことができた。ウリナラに親戚がたくさんいる人など、段ボール箱10個以上のお土産をもっていくということも珍しくない。飛行機ではそうはいかない。金銭的にも飛行機より随分と安い。
そして、複雑な乗換えなどがなくまったく面倒がない。船に乗ってしまえば、広々とした船内でくつろいでいれば勝手に運んでくれる。
高齢の同胞で、マンギョンボン92号がストップしてからウリナラ訪問を断念したという人たちは多い。親族に会えないままこの世を去った人もいる。朝鮮に粉ミルクを送る団体など朝鮮への人道支援を行っている日本の団体らも、支援物資がうまく送れず苦労している。
マンギョンボン92号は単なる船ではない。朝鮮と日本の間に国交がないなか、それでも両国間を結んできた貴重なパイプであった。在日同胞にとっては生命線ともいえる大切な船である。
それを日本政府は2006年7月から朝鮮に対する「制裁措置」を発動させ朝鮮からの人やモノを遮断し、マンギョンボン92号の日本への入港を阻んできた。
共同通信が昨日報じたところによると、日本政府は、4月13日に期限となる朝鮮に対する「制裁措置」の1年延長を3月末にも閣議決定するという。もしそうなれば今回で8回目の延長だ。
「制裁措置」に何の「効果」もないことはこの6年半を振り返れば明らかである。自分の国に気軽に訪問したいと願っている同胞や朝鮮への支援活動をしている日本人、朝鮮と貿易などの仕事をしている人々を無用に苦しめているだけである。
そんな非人道的な「制裁」は一日も早くやめてほしい。
次にウリナラを訪問する時には必ずマンギョンボン92号で行きたいと願っている。(k)
Unknown
まったく同感です。15歳の時、新潟で初めて祖国の船を見てから(もちろん初期は外国船を活用していたけれど)私の人生観は大きく変わりました。私にも祖国があるんだ!という想いを実感したものでした。
マンギョンボン号の入港を拒んできた日本当局は肉親を切り離し、生身の人間の心も体もずたずたにしてきた自分たちの醜さ、過ちに何故気づかないのでしょう.いいえ、なぜ気づかないフリをしているのでしょう。怒りを持って糾弾します!
オンニョさまへ
いつもコメントありがとうございます。
私も新潟で初代のマンギョンボン号を見たとき、祖国を感じました。本当にやはく再開してほしいですね。
乗ってみたい
マンギョンボン号、早く入港許可してもらいたいですね。幼い頃、テレビで新潟県の人が、マンギョンボン号に向かって「帰れ!帰れ!」と叫んでいるのを見て、訳も分からず真似して「マンギョンボン号帰れ!」とやったのを思い出しました(汗)母親から「それはいじめになるから駄目だよ」と叱られました。当時は、何故怒られたのかわかりませんでしたが、今思うと、あの時の母の指摘は、正しかったと思います。本当に申し訳ない事をしたな、と。 それより、疑問に思うんですがマンギョンボンって、日本人は乗れるんでしょうか。乗れるなら乗りたいなぁ。