4月を迎える
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今日で3月もおわり。明日からいよいよ4月が始まる。
2012年4月。このキーワード、何度耳にし、口にし、書き記したことだろう。それがもう十数時間後に迫っている。
2010年の春、最後に朝鮮を訪問したときに至る所で目にした光景は「未完」の国家建設のようすだった。平壌市内の住宅建設の現場や、果樹園、工場、企業所など生産現場を見て回り毎日驚きと発見の連続のなかで、きたる2012年にはどんな変ぼうを遂げてくれるのか、大きな期待を抱いたことを覚えている。5.1節を記念して大同江のほとりで行われた噴水パレードを見た後、興奮に任せて話す私を、現地の案内の先生が「仕事をがんばって2012年にまた必ず来なさい」とさとしてくれたのだった。
朝鮮では随所にさまざまな標識があることは有名だが、 印象的だったのは「あなたは2012年をめざして何をしているのか?」というスローガン。確か男性がこちら側に指を刺して問いかけているような絵だった。2012年までの日々をいかに過ごすか、そしていかに迎えるか絶えず考えて行動しなければと思ったものだ。
あっという間に2年が過ぎてしまった。
去年の今頃はちょうどイオ編集部に配属される直前で、以前の職場で最後の引き継ぎの仕事をバタバタとしていた。家に帰ってからは編集部から与えられた仕事をするという、今思えば二足の草鞋状態を楽しんでいた。
そして2012年4月を目指して、「いかに伝えるか」ということを新たに考え始めた。
イオ4月号で朝鮮を特集したが、2012年4月という時間表は、朝鮮の人々にとってはすでに象徴的なものではなく、さまざまな実績を伴った形として存在しているのではないかと思う。4月号の編集期間は朝鮮から次々と送られてくる記事を見ながら、その発展速度と自分自身を較べてなぜか焦燥感のようなもの(?)を感じていた。
イオの仕事を始めてもうすぐ1年。自分が掲げた大それた理想には程遠く、日々の仕事を一つひとつこなしていくのに必死で、口ほどに「2012年」に考えをいたせなかったとふがいなさを自省するばかりだが、今までのどの年よりも早く過ぎ去ったこの1年、得た経験を糧に初心をより高め、精進していきたい。そして2012年4月、新しい時代を拓く朝鮮の姿を、在日同胞や日本の方々に誌面を通して少しでも伝えられたらと思う。(淑)