朝鮮で三つ子に会う
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平壌に滞在しながらいろいろと取材活動をしている(里)です。
祖国での取材は初めてのことなので悪戦苦闘しながらも(とくに言葉)、毎日のように新たな発見があり、感動があり、時間があっという間に過ぎていきます。
3月末のある日、平壌市大同江区域にある平壌産院に行ってきました。
現地に着いたのは午前10時頃。入り口の門の前には、色とりどりの花束を持った人たちがたくさん集まっていました。
聞くと午前と午後の決まった時間帯に、出産を終えた女性たちが退院するそうで、その家族たちが毎日のように訪れるのだといいます。
体を冷やさないようにと厚着をして頭に帽子をかぶったりスカーフを巻いた産後の女性、そして赤ちゃんを抱いた夫や家族たちが和やかな雰囲気で産院から家路についていました。
平壌産院は女性のための総合病院で、女性特有の疾患を持った患者や出産前の妊婦たちがたくさん訪れます。
患者はみな、赤と白のストライプ柄の服を着ていました。
病院は医師や看護婦などスタッフ総勢で1500人ほど。大きな病院なのでとにかく人が多かったです。
平壌産院では近年、すべての出産が無痛分娩で行われているといいます。
無償治療制がしかれている朝鮮では、すべての医療費が国家負担なので、女性の出産にかかる諸費用もすべてタダです。
日本でも通常、無痛分娩には結構高いお金がかかるそうですが、平壌産院での無痛分娩(麻酔分娩)の処置代はもちろん無料です。
平壌産院の若い女性医師を取材するために行ったんですが、そこで思わぬ朗報にふれることになりました。
なんと、前の日に3つ子が生まれたというのです(ちなみに、三つ子に会ったのは人生初!)。
産院の歴代415組目(うち、5組は4つ子)だそうで、朝鮮中央通信が取材に来ていました。
私も実際に三つ子がいる部屋で写真を撮らせてもらいました(それが上の写真です)。
「フラッシュをたいてもいいんですか?」と聞くとお医者さんは、「まだ赤ちゃんは目を開いていないので大丈夫ですよ」と笑顔で答えてくれました。
赤ちゃんは3人とも、すやすやと眠っていました。
余談ですが平壌産院でその日、私が朝鮮新報社の記者だということを知って話しかけてきてくれたお医者さんがいたのですが、その方が私の大学時代の同じ学部の先輩の親せきということが分かり、とても親近感がわきました。
取材先で、日本から帰国した同胞に会うこともしばしばあり、日本にいる共通の知人の話で盛り上がることも多いです。(里)