太陽節が過ぎてから
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先週から平壌のあちらこちらでは、花が咲きはじめ、サクラに似たサルグ(あんず)やケナリ(れんぎょう)が街を明るく彩っています。
平壌の春の景色をカメラで撮りたいと思っていたのですが、週末にかけて冷たい雨が降ったせいでかないませんでした。
こっちの人は「こりゃぁ、もう花は全部散っちゃうね」と話していました。その言葉の通り、今週には花はかなり散ってしまい、木々が芽吹いていました。それでも先日、モランボンに上って風景写真を何枚か撮りました。
水曜日にはウナス(銀河水)管弦楽団の音楽会に行くことができました。朝鮮人民軍創建80年を記念して行われたこの音楽会は、とても見ごたえがありました。この日に際して管弦楽団は軍服を着用していました。ハイレベルなソリストたちによる歌のパフォーマンスを生で見ながら鳥肌が立つほどでした。ウナスのレベルは本当に別格だな、と素人ながら感じました。
23日、朝鮮人民軍最高司令部が南に対し、「特別行動」を開始するという通告を出しました。それから2日後の緊張感の中で行われた音楽会ということで、いろいろと感じさせられるものがありました。例えば、「수령이시여 명령만 내리시라(スリョンイシヨ ミョンリョンマン ネリシラ)」(首領よ、命令だけ下してください)の合唱の際、客席から大きな手拍子が起こり、劇場が一体感に包まれた気がしたのですが、これはやはり今の朝鮮の世間の雰囲気、志向を端的にあらわしているんだろうなと思いました。一緒に観たとある女性が、自分の子どもが今年から入隊することもあって、若き兵士たちの熱い思いを歌った歌が一番良かった、と話していました。私のような者が音楽会を観て感じるものとは別の、奥深い感想だなと感じました。
朝鮮の「先軍政治」はこうした一人ひとりの生身の人間たちの存在と想いがなければ成立しえないと思いました。日本ではこういった観点で朝鮮の姿を捉えること自体がなかなか難しいですが、こっちに来ていろんな人と接する過程で人々が何を大切にしていて何を志向しているのかが少しだけわかった気がします。その一つが、もちろん誰も戦争を望んではいないけれども、人間としての真の尊厳を守るためにはたたかいも辞さないということだと思います。
音楽会が行われたのは新しくできた人民劇場という場所です。新たに高層マンションなどが建設された万寿台地区の中心部にあります。円形のガラス張りの外観、そして内装もすばらしかったです。
あと個人的に、音楽会のパンフレットとチケットが気に入りました。チケットはハガキ大ほどのものでライトアップされた人民劇場がカラーで紹介されているもので、パンフレットも厚手の上質な紙でできた立派なもので、各俳優や指揮者がカラーで紹介されていました。(里)
ウナス、興味あります
ウナス、YOUTUBEで見ました。보천보の그때 처럼우리가 살고 있는가をカバーしてました。歌手の名前は忘れてしまいましたが、原曲の조금화と同じく、アルト(女声低音)の歌手でした。気に入ったので、ダウンロードもしました。朝鮮音楽は、レヴェルが違いますね。やっぱり、きちんと声楽を学んで、きちんと発声できています。お腹の底から声を出し切ってる、僕の好きなタイプの歌手が多いです。
また、朝鮮音楽のこと、記事にしてもらえると、ありがたい!です。