7月号特集は無償化問題
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高校無償化制度が始まって2年と2ヵ月が発ちました。
制度発足によって、日本の公立高校では授業料は無償となり、私立高校、専修学校、各種学校認可を得た外国人学校も就学支援金をもらえるようになったのに、朝鮮高校だけが未だに対象から外れています。朝鮮半島で起きた「事件」を口実に審査も停止されていましたが、菅直人前首相が審査再開を指示してからすでに9ヵ月。いたずらに審査が引き伸ばされているのが現状です。
読者の皆さんは、朝鮮高校がなぜこれほども長い間、差別にさらされていると考えられますか?
私は日本国のトップが差別を是認したこと、さらに審査が引き伸ばされていることで、「差別してもよい」という空気を社会中に撒き散らしていると思っています。
朝鮮高校を無償化法の対象にすべきことは、法律にも明記されています。また在日朝鮮人の民族教育の権利も、日本が批准した国連「子どもの権利条約」で認められている当然の権利です。ましてや在日朝鮮人は日本の植民地支配により日本で暮らすようになった歴史的経緯がある。今日のブログでは権利性に着目した主張はしません。
ここまで差別が続くと、なぜ差別がまかり通ってしまうのかということを考えざるをえません。
1ヵ月前、とある取材現場で日本の女性に無償化排除について逆取材されました。朝鮮学校のことをあまりご存知ないという女性は、「かの国の肖像画を掲げ、それを崇拝するような教育を行う朝鮮学校に税金を投入するのは納得できない」と憤りを込めて話されていました。
朝鮮民主主義人民共和国と朝鮮学校とがつながりを持つことを理解できない、許せないという主張です。「教育と国家」については過去のブログで書いたので割愛しますがhttp://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/4895a8d4140f6a0e0afd9eac8116fdbc、1時間ほど話した後、私は言いようもない徒労感に包まれ、「一度、朝鮮学校に遊びにきてください」と話すのがやっとでした。
私たち在日朝鮮人はよく、「日本語上手だね」「いつ日本に来たの?」「日本国籍とらないの?」という質問を受けます。質問を受けながら、朝鮮学校のことを考えるうえでの大前提である、「なぜ日本に在日朝鮮人がこれほどに多く暮らすのか」ということについて、個々人が説明しなければならない不条理さにイライラが募り、「日本社会のとてつもなく大きな壁」を感じました。このような経験は一度や二度ではありません。
日本が朝鮮を武力で統治し、植民地支配を行ったゆえに、私たちの祖父母たちは生活の糧を求めて日本に渡ってきました。植民地支配がなければ、おそらく私は東京で暮らしていなかったと思います。つまり、私が私という存在を認識するためには、歴史を知らなければなりません。知らなければ「母国を離れ、日本にいる自分」を理解できないのですから。しかし、日本の教育現場ではこの歴史の事実が教えられていないため、私たちはこの質問に繰り返し向き合い、答え続けなければなりません。
イオは7月号で「朝高無償化問題」を扱い、どうすればこの差別を克服できるのかをテーマに各地の同胞の声、専門家の知恵を集めます。
昨日、取材に訪れた神奈川朝鮮中高級学校で、ある男子生徒は「野田首相に学校を見てほしい」と話していました。
差別を率先してなくすべき政権自らが、子どもたちとは関係のない政治問題を口実に権利を奪っている。実際、経済的に苦しくて朝高に通わすことができない家庭は増え続けています。
差別の対象として、おとしめられている朝鮮学校ですが、子どもの教育を政争の具、北朝鮮バッシングの対象に扱う、この浅はかさ、醜さに、政治家の皆さんはいつ気付いてくれるのでしょうか。(瑛)
Kim Shirly
>朝鮮学校のことをあまりご存知ないという女性は、「かの国の肖像画を掲げ、それを崇拝するような教育を行う朝鮮学校に税金を投入するのは納得できない」と憤りを込めて話され
ほう憤りですか。
何もご存じないんですねー
ほんとに何にもご存じないんですねー
まったく何一つご存じないんですねー
・・・・・・・
恥を知れ!
在日
在日がなぜ日本にいるかというのは、私が中学校の時も教科書に書いてありましたよ。
教師も教えていました。
ただ、私は覚えていますが、全員が覚えているかというと別です。日本史上の覚えておくべき大事件はもっと他に、膨大にあるので、全部を覚えるのは不可能で、「学校教育のせい、教えられてないため」というのは違和感ありますね。正直、「関心がない」というだけだと思います。もっと自分自身の就職もキツイし、給料も上がらないなど、多くの悩みが今、日本にあります。余裕ないんです。
偏見というよりは
僕は、朝鮮政府の言っていることには、納得できない点も多いです。また、どうしても理解できない文化もあります。それは、人種の違いもあるし、今まで生きてきた環境も違うから、完全に理解するのは、難しいと考えます。でも、だからといって差別するのは間違ってる。その女性が、どんな方なのか知りませんが、偏見があるのは確かでしょうね。 でも他の方もおっしゃられていますが、今の日本社会には余裕がないんです。僕は、まだ余裕のあるほうですが(テストが終わって開放されたのもある)、学校の勉強や、先の見えない不況、就職難、貧困、子育て、給料…みんな、自分のことに必死なんだと思います。とてもじゃないけど、朝鮮学校問題に関心など向けられない。そういう背景があるのは、どうかご理解いただきたいです。でも、少しでも社会に余裕が出、少しでもこの問題に関心を持ってもらえるといいけど。長々と、拙い文章失礼しました。
在日は「余裕のなさ」のはけ口ではありません
大学生さん
ポチョンボ電子楽団大好きさん
>正直、「関心がない」というだけだと思います。
>今の日本社会には余裕がないんです。
でも、取材までしにきて噛み付くこの女性のような人たちや、わざわざ差別するための言動を行なう政府や国会議員や首長たちは「関心がない」わけではないはずですよね?
「関心がな」くて放っておくのなら、そもそも「無償化除外」になんてならないんですよ。
「余裕のなさ」という憤懣、イライラが、どこに刃となって向けられ、何を下支えしているかということなんです。