監視社会、どこまで進むのか
広告
先週、テレビの話題をさらったのは、「全国指名手配犯」の「逃走劇」と「逮捕劇」でした。それらを見ていて怖かったのは、いたるところに「防犯カメラ」が設置されていること。そこに写ったであろう膨大な映像から「犯人」のものが割り出されて、足取りが明らかにされていることです。
マスコミは警察から提供されたそれらの映像を繰り返し流し、「どこそこで、なになにを買った」ということがわかれば、同じところで同じものを買ってきて公開していました。また、視聴者からの目撃情報を募り、「専門家」をスタジオに呼んで今後の行動などを分析させていました。マスコミは大掛かりな「狩猟」を嬉々として放送し、テレビの前の視聴者もそれを楽しむ。明らかにそのような構図があり非常に不愉快でした。
それにしても、知ってはいたけれど、現在の監視技術・監視体制の進み具合はすさまじい。街中には監視カメラが溢れ、携帯電話の内容は筒抜けだろうし、幹線道路はどの車が通ったのかがすぐにわかります。アメリカ映画の「エネミー・オブ・アメリカ」や伊坂幸太郎の小説「ゴールデンスランバー」の世界が現実のものとなっています。
「犯罪予防のためなのだから、自分が悪いことをしていないならいいじゃないか」と思う人が多いようですが、私は常に監視されている社会に恐怖を感じます。そして、原発問題に象徴されるように、情報は一部の権力者が握って、公開するかどうかも加工することも思いのままです。
7月9日より、新たな在留管理制度がスタートします。この制度は一言で言うと、日本に住む外国人に対する管理・監視を強化し、正規の在留資格を持たない外国人を排除しようとするものです。
イオ編集部にも新たな在留管理制度がどのようなものなのか、詳しく掲載してほしいという意見が多く寄せられていました。そこで、新しく出た月刊イオ7月号では、特別企画として「どうなる? 新・在留管理制度」を掲載し、その具体的な内容や問題点を解説しています。ぜひ、お読みください。
そして、7月号の特集は「高校無償化をあきらめない」。朝鮮学校が除外されたまま「高校無償化」がスタートし2年以上が経ちましたがいまだに除外されたままであり、除外され続けていることにより朝鮮学校を取り巻く状況はむしろ悪くなっています。「高校無償化」制度とはどのようなものなのか、同胞や心ある日本の人たちはどのような思いで闘ってきたのか、民族教育の権利とは何か―このような問題をまとめ、あらためて差別なき無償化を絶対に勝ち取るのだという決意を特集全般に込めています。
また、往復書簡2012では、「朝・日サッカー交流の可能性を求めて」というテーマでビッグな二人が3ヵ月に渡り書簡を交換し合います。今回はその第1回目。その他、「女性の仕事白書~inピョンヤン~」「変化する朝鮮」と、朝鮮の最新事情を伝える記事など、今月号は特に盛りだくさんな内容となっています。
月刊イオ7月号、ぜひ手にとってください。
日本は隠れ独裁主義
今日、この記事と、ある記事を見て、この国はどこまで腐ってるんだ!と思いました。今年の10月1日から、動画のダウンロードや、youtubeなどで音楽を聴くと、200万円以下の罰金刑か、2年間豚箱にぶち込まれるらしいです。こんな法律がまかり通るのは、日本くらいのもんです。日本って、本当に民主主義なの?と、疑ってしまいます。監視カメラにしろそうですが、国民を管理統制したいんでしょうね。監視して犯罪防ぐ前に、モラルを教育すべき。犯罪が少ない国は、教育が進んでる国が多いと思います。まあ、日本は例外でしょうが。もう、怒りが収まりません。この国の政府は、どこまで腐ってるのか。すべてが、利権&国民の管理統制のために動く自民、民主。犯罪の防止は大切。でも、国民をカメラで監視する前に、根本原因を何とかしなきゃ。 このブログは、色んなことを考えさせられます。いつも、いい記事をありがとうございます。お互いに、政府の横暴に負けず、強く生きていきましょうね!
ポチョンボ電子楽団大好きさんへ
日本だけではなくドイツ・フランスを始めいくつかの国でダウンロードの違法化が行われていますよ。(うまく機能しているかどうかは別として)
著作権法のある国ではどこでもダウンロードをどう扱うか様々な議論がされています。日本では以前から罰則化への賛成意見が多かったので民主主義に反しているとは思えません。
ずっと以前から警察が推進
わたしが同胞団体事務所に勤務していたころ、民族金融機関にあるテロ集団構成員が拳銃の銃弾を撃ち込むという事件がありました。当時は2002年9月17日以後の異様な反共和国反総聯反朝鮮人バッシングのさなかで、各地で同胞団体や民族金融機関に放火事件、爆発物放置事件が頻発していたころでした。銃撃事件の現場に近かった我々の事務所にも所轄警察署警備課長がやってきて、事件抑止と犯人情報収集に協力する一環として事務所入り口と周囲に監視カメラ設置を熱心に勧めるのです。事件捜査にとても有力な手がかりになるから是非、設置してほしいというのです。警備課長は金融機関や駅、公共機関にかかわらずショッピングセンター、コンビニやガソリンスタンドなど民間でも監視カメラ設置に協力してくれている、と言いながら、われわれの事務所への監視カメラ設置を懇願するかのようなしつこさが印象的でした。検討を約束してお引き取り願いましたが、監視カメラは映像記録装置とセットで導入するタイプが一般的ですが高額な費用がかかり導入しないことの決定されました。その後、友好団体の日本の友人に監視カメラ導入促進は警察当局の最優先方針になっていて、一つには表向きには犯罪抑止と犯人検挙を上げているが本心は団体に出入りする人物情報収集があり、アメリカの圧力もあるのか2001年の9.11以降、国際テロ組織云々と言いながら実態はITを駆使した市民監視の効率化だという話を聞きました。いまでは警察の公安担当組織が運用する「Nシステム」と呼ばれる無人監視カメラが幹線道路、高速道路ばかりでなく地方の生活道路にまで設置され日常的に自動車ナンバー(一説には鮮明な運転者映像も24時間撮影されている)の全国の膨大な移動情報が収集・解析されており、県警単位だけでなくブロック単位、全国規模で管理されているそうです。犯罪に関係ない「善良な住民」は監視カメラの情報でアリバイ確認され、その潔白が証明されるという皮肉な恩恵もあるかもしれませんね。それにしても、私たちはすでに不気味な監視社会の「死角に潜む多くの眼」にさらされて生きているのです。
jusminさんへ
そうだったんですね。不勉強で、よく調べもせずに、ちょっと感情に任せて書いてしまったので、誤解してました。言い訳する訳ではないんですが、スイスで罰則化が見直されている、との話を聞いたので、誤解していました。すみませんでした。次からは、気をつけます。
監視社会
読まれた方もいるかと思いますが、
日本弁護士連合会編『デジタル社会のプライバシー 共通番号制・ライフログ・電子マネー』(航思社)という本が参考になると思います。監視カメラについての記述もあります。
今国会に共通番号制(マイナンバー)法案が提出されていますが、共通番号は在日外国人にも付番されます。共通番号制については、
小笠原みどり・白石孝『共通番号制(マイナンバー)なんていらない! 監視社会への対抗と個人情報保護のために』(航思社)
黒田充『Q&A 共通番号ここが問題』(自治体研究社)という本が出ています。