金剛山歌劇団特別公演を観ながら
広告
今週火曜日、新宿文化センターで行われた、2012年を送る金剛山歌劇団特別公演(主催=同公演実行委員会)を観覧しました。
今回の公演は特別公演ということで、金剛山歌劇団が2012年度本公演で披露してきた舞踊ミュージカル・春香伝やアンサンブル公演ではなく、この日限りのプログラムで、歌劇団員らをはじめ、同歌劇団元団員ら、民族楽器重奏団、同胞器楽演奏家、同胞合唱団など、総勢200名が舞台に上がりました。
公演では主に、1960~80年代に朝鮮で創作された名作や、同歌劇団が歌い在日同胞から愛されてきた往年の作品群が披露され、観客を喜ばせました。女声重唱「春の歌」「乙女の歌」、男声重唱「稲刈りの時に」「愛する我が祖国」、群舞「箕の舞」などです。
同歌劇団の元団員で現在は劇団四季でご活躍されるキム・スンラさんがサプライズで舞台に上がり、歌を披露するという一幕も。キム・スンラさんといえば、伝聞でしか知りませんが、歌劇団在籍当時は熱烈な追っかけがいたほどの人気俳優だったそうですね。私の両親や親戚いわく、朝鮮でもたいへんな人気だったそうです。同歌劇団の公演は物心つく前から観ている(らしい)ので、幼い頃に私も観ているはずですが、あいにく覚えていません。公演では、「アリラン」のアカペラに始まり、最後は団員らとともに歌うなど全3曲も披露し大サービスしてくれました。
クライマックスは同胞合唱団とともに飾られた、合唱と舞踊「青山里の豊年」「大同江の日の出」でした。
公演には、私の友人・知人も多数参加していましたが、ご友人の応援に駆けつけた方々も多かったと思います。同歌劇団と元団員、同胞たちがともにつくりあげた舞台。タイトルのとおり、2012年を締めくくるに相応しい華やかな舞台でした。
公演中、来年にはこの素晴らしい舞台を南の同胞たちも、また観られるといいなと思っていましたが、大統領選挙は残念な結果となってしまいました。
僅差で与党候補に軍配が上がった大統領選でしたが、在外同胞の投票結果では、文候補が朴候補を13.9パーセント上回りました。この結果が意味するところは何でしょうか。新大統領には国内だけではなく、植民地支配、分断に因り全世界に離散する800万の在外同胞も含めた朝鮮民族全体を視野に入れ、近視眼的ではない舵取りをしてほしいと思います。
さて、2012年の日刊イオの私の担当分は今回が最後です。
今年も「イオ」を応援して下さったたくさんの方々に感謝申し上げるとともに、来年もどうぞよろしくお願いします。(淑)