高校無償化、朝鮮学校排除へ今日、省令改悪
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下村文部科学相は昨日記者会見で、朝鮮学校を高校無償化の対象としない省令改悪を、今日、20日に行うことを明らかにした。
予想されていたこととは言え、怒りがおさまらない。
下村文科相は記者会見で、「朝鮮学校について、本来のわが国の学校教育法に基づいたですね、学校に変えていただければ、対象になるわけですから。方向転換を早くすれば、すぐ適用にもなりますので。ぜひ、そういうことも、朝鮮学校は考えていただきたいなというふうに思います」「朝鮮学校は在日本朝鮮人総連合会の影響下にある」とのべたと、マスコミは伝えている。
各地にある朝鮮学校は、日本の学校教育法に基づき、各種学校の認可を受けているのである。「高校無償化」制度の適用を受けている他の外国人学校と同じだ。同じ各種学校でありながら、他の外国人学校には適用して朝鮮学校だけを排除するのは、誰がどう考えても間違っている。
朝鮮学校だけを排除することのおかしさ。だからこそ、民主党政権時代は、朝鮮学校をあからさまに排除しようとしたけれども、「審査中」などと詭弁をつかっていたわけだ。しかし、自民党の安倍政権になり、その詭弁すらもかなぐり捨てて、法を捻じ曲げてまで朝鮮学校を排除(弾圧)するようになった。
このブログでも、朝鮮学校の排除の不当性は何度も書いているので繰り返さない。朝鮮民主主義人民共和国が気に入らないからと、朝鮮学校や朝鮮総連を「規制」することは正しい、そのために日本に住む朝鮮人や子どもたちの人権が侵されても仕方がない、自分たちは正しいことをやっているんだと、日本の政治家たちが思っていること、そしてそれを容認し「おかしい」という声が多数を占めない日本社会の現状に、もっとも怒りと恐怖を感じている。
現実に今の日本は、犯罪をでっち上げて、いつでもどこでも「朝鮮総連の影響下」にある団体や所属する人たちに対して強制捜索ができる社会になってしまっている。
朝鮮学校への補助金をストップした神奈川県知事の発言を見てもそうだが、日本の政治家は、もう冷静で理性的な判断ができなくなってしまっている。また、自分自身に何か考えがあって行動しているのではなく、「国民感情」や財界の意向、米国の政策といったものの顔色をうかがうことでしか、物事を判断し行動できなくなっていると思える。そして、何かにおびえているようにも見える。
このまま朝鮮学校を排除するというめちゃくちゃなことがまかり通るなら、日本は法治国家とは言えなくなるし、どんどんと坂道を転げ落ち、崩壊へと突き進んでいくであろう。反原発運動や、在日米軍基地反対運動などへの対応、いじめ問題など、いま日本で起こっている現象を見ればわかることだ。
今回の省令改悪で、文部科学省はおよそ1ヶ月かけてパブリックコメントを募集した。その結果、朝鮮学校排除に賛成する内容のものが1万5846件、反対する内容のものが1万4164件、そのほかが500件だったそうだ。
パブコメの募集に何の意味もなく、改悪するという結論は最初から決まっていたことでありただのポーズに過ぎなかったというのはおいておくとして、この数字を見て思うのは、日本に住んでいるほとんどの人たちは、現在の朝鮮学校をとりまく状況について関心がなく、自分たちの周りでどういう事態が進行しているのかもわかっていないのだろうということだ。(k)
「高校無償化」制度からの朝鮮学校排除、補助金の支給停止など関して、大阪と愛知では裁判闘争が始まり、東京でも訴訟が予定されています。大阪、愛知、東京で集会・デモが行われます。ぜひご参加を!
●大阪「朝鮮学校への「高校無償化」適用、自治体補助金の再開・復活を求める
「朝鮮学校ええじゃないか!春のモア・パレード」」
日時:3月24日(日)14:00~
場所:扇町公園 (大阪市北区扇町1-1、JR大阪環状線「天満」駅または地下鉄「扇町」下車)
内容:各アピール、文化公演、当事者発言など
※16時頃からパレード
●愛知「訴訟決起集会」
日時:3月24日(日)10:30~13:00
場所:名古屋市千種区役所 2階講堂
(名古屋市地下鉄 東山線池下駅2番出口スグ)
内容:経過報告、学生による公演ほか
●東京「朝鮮学校はずしにNO!すべての子どもたちに学ぶ権利を!3.31全国集会&パレード」
日時:3月31日(日)13:00集会
場所:日比谷野外音楽堂
※15時からパレード