ヘイトスピーチの中での集会とパレード―朝鮮人弾圧の65年前と今
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3月31日、東京・日比谷で行われた「朝鮮学校はずしにNO! すべての子どもたちに学ぶ権利を! 3.31全国集会&パレード」 に参加してきた。集会とパレードの模様は朝鮮新報で報道されているので、そちらを見てもらいたい。http://chosonsinbo.com/jp/2013/04/0401rn/
ここで書きたいのは、集会とパレードの間、ずっと「朝鮮人は帰れ!」などというヘイトスピーチを撒き散らしていた排外主義者たちのことである。
私は11時半ごろに会場の日比谷野外音楽堂に到着した。集会開始の1時間ほど前になると、排外主義者たちの街宣車が会場周辺に集結し、大音量でがなり始めた。言っている内容は、朝鮮人は祖国へ帰れ、日本から出て行け、「高校無償化」の適用などとんでもない…というようなことである。
相当にうるさくて、リハーサルをやっている会場の声がよく聞こえないほどであった。排外主義者たちの大音響によるヘイトスピーチは、集会が始まってからも断続的に行われた。発言したオモニたちの言葉にいつもよりも怒りの思いが込められているように私には聞こえたし、騒音が怒りを増幅させたのは間違いないと思う。
それでもつつがなく集会が終了し、3時からパレードが始まった。
しかし、銀座・数寄屋橋の交差点の手前あたりから、排外主義者らの街宣車が路上に陣取りパレード隊に向かってヘイトスピーチを浴びせかけた。数寄屋橋交差点を過ぎると、歩道に「日の丸」を持ち「朝鮮学校の無償化断固阻止!! 世界平和実現のため朝鮮学校を解体せよ」と書かれた横断幕を広げた集団が、至近距離からヘイトスピーチを連呼していた。排外主義者の街宣車はJR東京駅近くまで続いていた。
日本による植民地支配により故郷を離れ日本に住むことになった1世とその子孫であるわれわれが、なぜ「日本から出て行け」と罵声を浴びなければならないのか。パレード隊の中には1世同胞もいれば幼い子どもたちも多くいた。彼ら彼女たちがなぜ悪意に満ちた言葉を聞かなければならないのか。「日の丸」のもとに民族を踏みつけられた過去を持つわれわれが、なぜ「日の丸」を突きつけられなければならないのか。
このようなことを書くと誤解をまねくかもしれないが、こんなに人間の尊厳を傷つけられてまで、集会やパレードをやる必要があるのかとさえ思った。
この日、集会とパレードに参加した人たちは最終的に7500人にのぼったという。それに対し排外主義者たちは多く見積もっても200人もいなかった。表面的には圧倒的にこちら側の数が多いのであるが、排外主義者は氷山の一角、200人の後ろには、200人を生み出した日本社会、200人を黙認する日本社会、200人を止められない日本社会が広がっている。
何よりも、排外主義者たちが願うとおりに、何ら正当な理由もない「高校無償化」からの朝鮮学校排除が続いており、在日朝鮮人に対する迫害が日々拡大している。そのことにおいて、圧倒的多数は排外主義者たちの方であり、包囲されていたのはわれわれだったと言える。
明確にしなければいけないのは、日本政府自身が朝鮮学校を差別しつぶそうとしているということだ。排外主義者たちはそれに乗っかっているだけと言ってもいい。
ちなみに今日は、1948年に済州島で4.3事件が起こった日である。祖国の分断につながる南での単独選挙に反対した人々を「共産主義者」だとして、米軍政と警察・右翼団体が虐殺した。その数は3万人にもなる。そして同じ4月の24日に日本では、在日朝鮮人の民族教育への弾圧に対する4.24教育闘争が起こっている。
二つの事件は、ともに米国の対朝鮮半島・アジア戦略のなかで起こった事件である。朝鮮学校、在日朝鮮人組織はつぶされて行き、2年後には朝鮮戦争が引き起こされた。
やり方は違っているが、65年前から在日朝鮮人と朝鮮学校は弾圧を受け続けてきたのであり、65年前と今の状況が非常に似ていることがわかる。現在、朝鮮半島の軍事的緊張が高まっているが、米日韓がどのような危険な行動に出るのか、非常に怖い。(k)
Unknown
記事を読ませて頂いて、中学校の授業で見た黒人差別とキング牧師の闘いの日々のドキュメンタリーを思い出しました。
最前線で悲しい現実を取材されるご苦労を思うと、敬意がわき上がるとともに、どんなお気持ちでシャッターを切られているのかと思うと胸が痛いです。
疲れがたまると悲観的になってしまうと思うので、状況が許す限り、身体を休めてあげて下さいね。希望は忘れずにいなければ、と思いを新たにさせられました。ありがとうございます。
pomiさまへ
いつも、コメントありがとうございます。
排外主義者にレンズを向けるのは、正直気持ちのいいものではありません。ゆっくり休みました。今は元気です。ありがとうございました。
同じ日本人として悲しくなります
今、新大久保周辺で、在特会が毎日集団でヘイトスピーチをしている。NHKのニュースや新聞で取り上げられているが、先日、NHKのニュースでリポーターが参加者に「何故、こういう事をするのですか?」と質問したところ、「優越感に浸りたいから」と言っていた。私は同じ日本人が、こういう差別をするということを断じて許さない。しかし、在日コリアンの皆様。こういう輩は、同じ日本人でも一握りです。他の大勢の日本人は、そういうことはしません。ヘイトスピーチをするファシストは、いずれ犯罪を起こして刑務所行きです。それにしても、どうしてこんな酷い事をするのかと思うと、同じ日本人として、悲しく思う。尚、仮に日本人の何割かが仮に在日コリアンの人達に敵対をするようになっても、私はあなた方の味方になります。ヘイトスピーチ絶対反対。