朝鮮学校への防犯ブザー配布問題から見えるもの
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5日の(相)さんのブログで取り上げていた、東京都町田市の教育委員会が朝鮮学校に防犯ブザーの配布を取りやめた問題。8日に同教育委員会は配布しないとした決定を撤回した。
配布しないと決定したことが広く知れわたったのが4日のこと。4日の夕方、取材から会社に戻ると、配布しないということがツイッター上で流れてきて知ったのだが、瞬く間に拡散して大きな問題となり、マスコミも取り上げることとなった。 このことを知った多くの人たちが町田市に抗議の電話をかけメールを送った模様である。
市教育委員会が配布しないとした理由は、「北朝鮮との関係が緊張していることなどを考慮した」「(朝鮮学校に配布をすることに)理解を得られない」ということだが、「北朝鮮バッシング」の狂乱のなかで、「国民の理解」などというものが一人歩きし、日本社会がものごとの正しい判断ができなくなっていることが露呈した。一歩立ち止まって考えることができない。誰が考えても配布取りやめは間違っている。防犯ブザーを配布するかしないか、そういう問いを発すること、そういう問いを成立させていること自体が、今の日本社会がまともでないことを示している。
今回、この問題を日本のマスコミは批判的に報道していたが、これまで自分たちの歪んだ朝鮮報道によってどれだけ社会の「北朝鮮憎悪」を助長させてきたのか。その結果、これまで女子生徒のチマ・チョゴリが切られるなど、どれだけの危険が朝鮮学校に通う子どもたちに降りかかってきたのか、その責任を理解しているのか。
朝鮮民主主義人民共和国が危険なのではなく、米日韓が軍事演習を繰り返し、緊張をあおり朝鮮に圧力を加えていることを、そろそろきちんと報道してはどうか。
防犯ブザーは子どもの安全に直結するからダメなのか。私には、「防犯ブザーを配布するのは当たり前」というのと、「高校無償化を適用するのは当たり前」というのとは、まったく同じに見える。今回の問題が、「高校無償化」からの朝鮮学校除外、補助金カットのむちゃくちゃさをさらに浮き彫りにすることとなった。
今回、防犯ブザー配布取り止めを決めた人たちは、今の日本社会の雰囲気の中で重大な過ちを犯したのであるが、「高校無償化」から朝鮮学校を排除している日本政府は、意図的で目的があって弾圧の道具としてあえて除外している。だからこそ、問題は深刻で、今回の配布取りやめ決定の撤回によっても、何も問題は解決されていない。下村文科相は今回の問題に対して「子どもたちがいじめに遭わないよう配慮してもらいたい」と言ったが、いじめの根源を作っている人間が破廉恥にもよく言えたものだ。(k)
ここからは告知です。
これもまた、(相)さんのブログで紹介されていましたが(「解放運動無名戦士の墓」を訪ねてhttp://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/995d708b60630f1da723560ccb1382d9)、東京港区の青山霊園に「解放運動無名戦士の墓」があります。1935年3月28日に建立されたもので、1948年の4.24教育闘争で警官隊の銃弾に当たって犠牲となった金太一少年をはじめ11人の在日朝鮮人も祀られています。 今年は4.24教育闘争から65年に当たる年だということで、当日の4月24日、午前10時ごろから「解放運動無名戦士の墓」を訪ねたいと思っています。
この集まりは、ブログ「トンポ・トンネ日々イモジョモ」(http://blogs.yahoo.co.jp/uil21)を発信しておられる金日宇さんの発案によるもので、このことをフェイスブックなどで告知しておられます。もちろん、当日、金さんも参加されます。 4.24教育闘争の意味を尊重し興味のある方は、ぜひご参加ください。