妄言は被害者をふたたび苦しめる
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橋下市長が、アジアへの侵略や日本の植民地被害を認めないことは今にわかったことではないが、彼の主張は世界には通じない。日本軍「慰安婦」制度は、被害者の勇気ある告発で国連の舞台で議論され、日本軍「性奴隷」制度と認められた。国連が日本軍性奴隷問題を取り上げたのは、世界各地で今現在も起きている紛争の中で、女性や子どもなど立場の弱い人たちが犠牲になっているという、今日的な問題に解決の道筋をつけるためだった。
国連は日本政府に何度も勧告を出し、被害者の原状回復のために国家による謝罪と補償、真相究明や教育の実施を求めたが、日本政府がこれを受け止め、自国の歴史認識の構築に役立てたことはない。まずこのことが橋下市長のような政治家を量産している根本的な原因だと思う。
米議会で2007年7月に「慰安婦」決議案が採択されたのも、日本政府が被害国や国連の勧告を無視し続けていたことが原因だった。日系のマイケル・ホンダ議員が中心となったこの決議には、①日本政府は、(略)日本軍が性奴隷制を強制したことについて、明確かつ曖昧でない形で、正式に認め、謝罪し、歴史的謝罪を受け入れるべきだ②日本の首相が首相としての正式な立場で謝罪を公式声明として発表するならば、これまでの声明の誠実さと性格に繰り返し向けられてきた疑問を解決する助けとなる③日本政府は、日本軍のための「慰安婦」の性奴隷化と人身取引はなかったとするいかなる主張に対しても、明確かつ公式に反駁すべきである④日本政府は、「慰安婦」に関わる国際社会の数々の勧告に従い、この恐るべき犯罪について現在および未来に世代に対して教育すべきである―などの内容が盛り込まれている。
現在、米国が安倍首相の歴史認識を憂慮しているのも、日本の歴史認識がアジア諸国との不和をもたらすからで、たとえ同盟国といってもこの点は看過できないのだ。
植民地支配を肯定する政治家たちは「証拠を出せ」というが、敗戦後、数多くの資料を焼き払って戦争犯罪の追及から免れようとしたのは日本の軍部だった。一例として細菌戦を準備していた731部隊については、「731―石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く」(青木冨美子著、新潮文庫)に詳しいが、強制連行、性奴隷被害など、軍や政府の関与を証明する資料探しの難しさは日本政府が証拠を焼却、隠蔽していることにある。
さんざん証拠を隠しておいて、「証拠がない」と言い張る滑稽さ。アジアの心ある研究者たちが手を取り合い、史実を洗い出して日本の戦争犯罪の解明に急いできたのは、政府が事実をひたすら隠してきたからで、日本政府が自ら植民地支配の被害を調べたことはなかった。ここに犯罪隠蔽の底知れぬ「闇」を見て取れる。93年に河野談話を発表する際、日本政府は報告書を作成し、「日本軍の関与」「強制性」を認めたが、朝鮮総督府、台湾総督府を管轄していた拓務省・内務省資料、警察資料などの基本資料は出てこなかった。
日本と植民地支配の清算をしていない、唯一の国は朝鮮民主主義人民共和国だが、朝鮮では2004年に日本軍性奴隷制度をまとめた「20세기특대형범죄 일본군성노예제도(20世紀特大型犯罪 日本軍性奴隷制度)」(과학백과사전출판사)という本が出版されている。性奴隷問題の国際会議に参加するために来日したこともあるチョン・ナムヨンさんが執筆したものだ。2000年に東京で行われた「日本軍性奴隷性を裁く女性国際戦犯法廷」に出席した被害者たちの証言も載っている。
本におさめられた被害女性たちの証言は凄まじい。14、15歳でいい働き先があるとだまされ、遠く南方に連れていかれた女性もいる。長く伸ばした髪を切られ、日本名や番号で呼ばれ、一日数十人の性奴隷を強いられた。反抗すると拷問を加えられ、あげくの果てに殺された女性も数知れない。これを性奴隷と呼ばずに何というのか。
彼女たちは、自分の意思で「従軍」したのでもなければ、「軍人」を「慰安」したわけでもない。「従軍慰安婦」という言葉は日本の軍人の身勝手な視点がそのまま映し出されたもので、「軍隊には慰安所がつきもの」と話す昨今の政治家と同じ発想だ。
歴史認識はおろか、道徳のかけらもない政治家の発言に、過去に出会ったアジアの被害女性の顔が走馬灯のようによぎる。
体に刻まれた深い切り傷、性奴隷の過去を家庭にすら話せず、結婚、出産、人生を断念した女性たちは日本の敗戦後の長い年月を苦しみの中で生きてきた。日本政府の謝罪の一言を待ち続け、どれだけ多くの女性たちがこの世を去っただろうか。妄言を繰り返す政治家に、人生を破壊された女性たちは再び苦しめられている。(瑛)
一日本人として、お詫びします
橋下徹大阪市長が、暴言を吐きました。これは、維新の会という石原慎太郎のようなファシストと同じ政党の者が、勝手に言ったことで、日本中の良識ある人は、全員怒っています。今度の参院選には、維新の会などには入れないと、皆言っています。いずれ橋下徹は政界から追われるでしょう。この人物は、ファシストですから。以前、「日刊イオ」紙に投稿しようとして書き忘れたものがあったので、ここで改めて書きますが、1994年にチマ・チョゴリ切り裂き事件という一部の悪い日本人による極めて悲しい出来事がありましたが、それはあくまでも、ごく一部の悪い日本人がやったことで、大多数の日本人は、そういうことはやりません。街宣右翼、在特会、国士舘学生などは、「暴力団と同じだ」と一般の日本人は全員思っています。在日コリアンの皆様は、働いているので、所得税を払っています。しかし、街宣右翼は、平日の昼間から街宣車で「何だかんだ」と言っているだけで、働いていません。よって所得税を納めていません。在日コリアンの皆様は、街宣右翼に「自分達は、働いているので、所得税を払っている。お前達は、所得税を払っているのか」と言ってやって下さい。右翼はぐうの音もでませんから。在日コリアンの方達は大きな顔をして歩いていいのですよ。ちゃんと税金を払っているのですから。又、元々日本という国は、朝鮮半島の帰化人の方々がやって来て、文明をもたらしてくださいました。その事も、右翼の奴等に言ってやって下さい。右翼の奴等は、古代史を知らないらしいですから。尚、ウリハッキョの先生達に一言。「日本人は全員悪い人達ばかりだ」とは、生徒に言わないで下さい。先生がそういう事を言うと、生徒達は信じてしまい、日本人達と仲良く出来なくなります。関東大震災で、多くのコリアンの方達が自警団によって殺された事は、日本史の授業で習いました。でも、日本人の中には、殺気立った自警団よりコリアンの人達を守った日本人も少なからず居ます。今回の橋下徹という愚かな日本人の発言に対して、同じ日本人として、お詫びいたします。